BLOG BLOG 「MAフル活用で商談数200%を達成」~名寄せ/データクレンジングに基づくスコアリングの実践~//マーケティングセミナー実施報告

2018年10月04日


2018年9月11日(火)、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション社、日本オラクル社を招き
商談数200%を達成。事例から学ぶ。運用のポイントとは?」セミナーを実施しました。
以下、実施報告記事となります。

【概要】


第一部 NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社
    ソリューション部 BtoBマーケティングソリューション
    クライアントサクセスマネージャー 肥田 雄一朗 氏

第二部 株式会社ランドスケイプ
    インサイドセールスセンター 主任専門職 戸崎 拓也

第三部 日本オラクル株式会社
    クラウド・アプリケーション事業統括 横山 富 氏


【詳細】

第一部 商談数200%を達成。データドリブンで変化させるマーケティングオートメーション活用法とは?
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社 肥田 雄一朗 氏

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NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション社は、NTTグループを中心にBtoBデジタルマーケティングの導入や支援を行っています。
今回のセミナーでは、有望なリード育成の為の、マーケティングオートメーション(MA)活用方法について講演しました。

1. マーケティングオートメーションのスコアリング。「落とし穴」と「処方箋」

1)BtoBマーケティングに注力が必要な理由

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション社が提唱する「BtoBマーケティングに注力する理由」。
それは、「法人の購買方法が劇的に変わった」という点です。

インターネットや検索エンジンの進化に伴い、購買の意思決定プロセスの約60%が顧客側で実施されていると言われています。
また近年、法人の購買方法は「WEB、営業相談の両方を活用する」スタイルが主流です。

BtoB商材の購買ステップは多段階に渡り、関係部門、関係者も多くなる傾向にあります。
よって、BtoB購買プロセスの把握には以下を押さえることが重要です。

①顧客は、コンタクト(問い合わせ)するまでに何をしているか
②顧客は、発注までに何をしているか

マーケティングオートメーション(MA)などのデジタルツールを活用し、顧客がどのような状態にあるのかを確実に知る必要があるのです。

2)準備すべきこと

もちろん、マーケティングオートメーション(MA)ツールの導入が目的ではありません。ポイントは「成果を上げる、そのためにツールを活用すること」です。
そのためには、あらかじめ以下のようにターゲット像や目的を明確にしておくことも大切です。

・対象マーケット分析
・ペルソナ策定
・顧客購買プロセスマップ策定
・阻害要因の検出
・営業、マーケティングのパイプライン洗い出し
・KPI策定

3)MA導入が大切な理由とは?

繰り返しますが、目的は「売上を上げる」ことです。
マーケティングオートメーション(MA)をただ導入しただけ、あるいは単純なメール配信ツールに成り下がっている、という利用の仕方では意味がありません。

BtoBでマーケティングオートメーション(MA)を導入する意義は「顧客が複雑な購買プロセスマップのどこにいるかを、デジタルで把握し、より効果的なコミュニケーションを実践していくこと」にあります。

顧客の状態を知ることなく、場当たり的なコミュニケーション施策を打っても、効果は上がりません。

MAの「ステップ」は、基本的にはSFAの「営業パイプライン」の考え方と同じです。
あらかじめ各ステップを定義。そのステップ基準に達した顧客をリストとして投入し、デジタルに顧客の居場所を特定していきます。

よく出来る構図は、リードの質に対するマーケティング部門と営業部門の溝です。
ですが、今や、売上向上という目標において、マーケティングと営業を切り離して考えることはできません。
マーケティングの効果を測定し、正しいPDCAを回し続けるためには、見込客獲得→マーケティングによる育成→営業との商談→成約まで、情報の一元管理が必要です。

売上額と、売上に至るまでかかった費用やリソースの全てが紐づいて初めて、費用対効果が明確になります。
よって、MAとSFAどちらが欠けても情報が不足してしまうのです。

2. 本当に商談につながるホットリード創出の「仕掛け」づくりとは?

「HOTリード」の基準は各社で様々かと思われますが、大切なのは「営業にとって商談化率の高いリード」という点です。
つまり、営業目線で優良リードといえる基準を設ける必要があります。

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1)送客の基準/流れを決める

マーケティング部門から営業部門へリード引き渡しを行うことを、「送客」と呼びます。

送客の基準は、相手企業とのコンタクトチャネル(問い合わせ、資料ダウンロード等)や、行動パターン(プル型/プッシュ型)を組み合わせて決める必要があります。
この部分のさじ加減が、営業の成否を占う上で重要です。

また送客の流れも、以下のようにパターン分けしておくことが現実的です。
①即送客:購入意思が高い/検討が具体的 など。すぐに営業へ引き渡す送客
②シナリオ送客:マーケティング部門で関係性・興味度合いを育成(ナーチャリング)した上で営業へパスする送客

2)多角的・総合的に判定する・・・データドリブンの考え方に基づくスコアリング

ではどうすればより良い運用が可能となるのでしょうか?
マーケティングオートメーション(MA)は上記のような、リードの行動情報を蓄積することはできます。相手の状態が不鮮明(unknown)な状態でもアクティビティ取得が可能です。

大切なのは、そこへSFAで蓄積される受注データや属性データ、ランドスケイプなど外部のデータベースによる業種や売上高といった企業データを突き合わせることです。

これがデータドリブンの考え方。
各種属性もリードのスコアリング設定に反映、多角的・総合的に判定することでMA運用の精度向上が期待できるようになります。

3. 育成シナリオのオートメーション「自動化」。「2つ」の組み合わせとは?

スコアリング基準を決めた後は、例えば、興味度に応じた専用コンテンツを用意して、セグメント・アプローチしていくと良いでしょう。

例)データドリブンに基づく興味度スコアリング
 7日間でスコアが10点以上・・・興味度高、コンテンツAを配信
 7日間でスコアが5~9点・・・興味度中、コンテンツBを配信
 7日間でスコアが0~4点・・・興味度低、コンテンツCを配信

●育成シナリオを効率化・自動化させるには
また、一過性に終わらせずにナーチャリングするためのポイントは、定期メールと育成シナリオを掛け合わせておくことです。①②のようなイメージです。
①:定期メールでコンテンツへ誘導。コンテンツ閲覧者はシナリオ育成フローに移行させる
②:(①を踏んで)シナリオ育成フローへ来た人達へ、育成メールを自動発動させる

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コンテンツや育成シナリオ等は、初期は仮説で設計します。ただしもちろん、運用の中で、実例を元に根拠のあるモデルにチューニングしていくことが大切です。
四半期または半期ごとに、保有リード件数や、インサイドセールス/営業のリソース・スキルに合わせながらチューニングしましょう。
(データサンプルが多いほど、より根拠のあるシナリオやスコアリング設定が可能です)

ここまで実行するには、体制とノウハウが必要です。
ご興味があれば是非お問い合わせください。

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション社のホームページはこちら




第二部 マーケティングオートメーション 34か月間の利用で学んだこととは?
株式会社ランドスケイプ 戸崎 拓也

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ランドスケイプからは、インサイドセールスの実践について、自社の取り組みを紹介しました。
ランドスケイプではMAを駆使し、インサイドセールスを実践していますが、どのように活用しているかの実際の部分も紹介しました。
34ヶ月に渡る取り組みの失敗と成功の両面から紹介します。

1. MA導入後の課題とその原因

冒頭、一般的に多く見られるよくある2つの課題を挙げました。

1つ目が、MAでのメール配信の成果(閲覧率/クリック率)が思うように上がらない。配信拒否件数だけが増えていく。
2つ目が、営業部とマーケティング部の「あるある」問題です。
営業はマーケティングが渡したリードを放置、営業はマーケティングの作るリードの質に不満を持っていることです。

なぜこのような結果に陥っていくのかを探っていくと原因のひとつに、セグメンテーション不足があるようです。
セグメンテーション不足とはMA内にて、次の2つの問題によって、効果的な施策が打てていない状況を指します。

①企業単位で件数を捉えられていない。
②企業の属性情報が不足している。

つまり、企業のデータ・情報を充実させることが、課題解決のひとつの鍵となっていくということです。

2.対策:MAを活用するために

ランドスケイプでは、820万件の事業所を含む国内企業の拠点を網羅した法人情報データベース「LBC」を構築しています。
自社内の企業情報と「LBC」を統合することで、企業単位での把握 および 企業属性情報の付与が可能になります。

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また「LBC」には過去社名や、表記の揺れにも対応できる各種ナレッジマスタを搭載しているため、高精度の名寄せを実現し、データ重複の問題も解決します。

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「LBC」についてはこちら

3.事例:ランドスケイプのインサイドセールス

1)インサイドセールス立ち上げ当初の失敗

インサイドセールス立ち上げ当初、まずは電話による対話でのアプローチを試みていました。お客様と対話し、課題をヒアリングし、提案をしていくという流れです。
しかしながら、受付拒否や対話に至っても軽くあしらわれてしまい、時には怒られてしまうこともありました。

2)整理したインサイドセールス手順

結果が奮わないことには、明らかなミスがありました。アプローチの手順を間違えていたのです。
書籍『インサイドセールスの実務』(著:沼澤拓也)によると、正しい手順は「情報提供 → 情報取得 → 提案」の順でステップを踏むことが重要だと記載がありました。

ランドスケイプでは当初、情報提供の段階を踏まずにアプローチを行っていたため、一向に成果が出ていなかったのです。

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3)施策

ステップを見直し、以下のようにリードとの信頼形成にまずは努めることにしました。
書籍で得たノウハウや知見を、メールマガジンやブログ記事にして紹介をし、リードとの関係性を深めています。

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4)例:メールマーケティング

最後に、実際のメールマーケティングの事例を一部紹介します。

2章で少し触れた「LBC」には、業種の情報や、企業同士の出資関係がわかるようなグループ把握機能があります。
その情報を活かして、業種別にその業界に特化した情報を配信。そのグループ企業に関する情報を該当グループだけに配信を行いました。

すると普段は8%ほどの開封率が、3倍~5倍に向上したという事例です。

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立ち上げ当初(2016年7月)は月間37件しか商談を作れませんでしたが、こうした取り組みによって、現在(2018年8月)は月間120件の商談を営業部に渡しています。

ランドスケイプが取り組んでいる34ヶ月に渡るインサイドセールスの取り組みは、企業様個別単位でも紹介しています。
資料も公開していますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。



820万件の事業所情報データベース「LBC」
顧客管理マスタツール「uSonar」

ランドスケイプへのお問い合わせ、またご相談は、お気軽に下記へご連絡ください。
メールフォームからのお問い合わせ

★資料請求は下記へお問い合わせください。
 セミナー事務局 (担当:松崎、奥泉、藤原、松岡、冨岡)
 seminar@usonar.co.jp




第三部 営業活動と連動したマーケティングオートメーションの活用法 
~MA, SFA, CPQ のデータとプロセスを統合する事で実現する真の営業改革~

日本オラクル株式会社 横山 富 氏

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日本オラクル社は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの「Eloqua」を提供している企業です。
本セミナーでは「Eloqua」の活用方法とともに、次世代のマーケティングツールや営業基盤強化の手法について講演しました。

1. MAの導入が伸びた背景

ここ数年来、マーケティングオートメーション(MA)導入の機運が高まった背景には、「お客様がネット中心への行動に変化した」事にあります。
自社から見ると、顧客との接点が対面からデジタル中心に変化。したがってマーケティング手法や営業手法も大きく変化したのです。

ネットの接点が重要になっている現代で「興味・関心」を把握するには、MAのようなツールが必須です。
MAを活用することで、お客様の行動・変化に対応できる訳です。

2. 「Eloqua」ユーザーが評価している機能

多くのBtoB企業で導入が進んだMAですが、ユーザー企業にはどのような悩み事/課題があるのでしょうか。
よくあるケースは次の内容です。

●営業部門の悩み
確度の低いリードが大量に営業へパスされてしまう。営業がフォローしても案件にならず、業務負担が増えるばかり。

●マーケティング部門の悩み
イベントを回すだけで手一杯。人手が足りず、効果測定する時間も無い。

つまり、営業とマーケティングでそれぞれ悩みを抱え、リードの引き渡しが上手くいっていないことが見受けられます。
この現象を解消する「Eloqua」の便利機能を紹介します。

1)リードスコアリング

「Eloqua」のスコアリングは、MAで唯一、マトリクスで設定できる仕様です。

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>縦軸:顧客になりえるかどうか(規模、決裁権 等)
>横軸:自社についてどの程度興味を持ってくれているか

縦4×横4の16段階設定というシンプルであり、細やかな定義づけ/柔軟なリード評価が可能です。
それが、ユーザー企業様からも、リード引き渡しにおける部門間の溝を解消できていると高く評価されています。

2)プロファイラー画面

最近では営業マン自らが、マーケティング部門と同様にデジタルで顧客行動を把握する動きも進んでいます。

「Eloqua」のプロファイラー画面で、お客様のデジタル行動をリアルタイムに・事細かく捉える事が可能です。
またMAで唯一、営業マンが自分自身でナーチャリングメール送付→開封有無確認まで行う事もできるので、個別/的確なアプローチにお役立て頂けます。

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3)メール作成画面

画像ドラッグ&ドロップ、多言語選択などの便利機能を豊富に備えています。
いずれも直感的で簡単に利用できます。

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3. MA活用 および ABM推進のポイント

MAの活用で重要なのは、「メールアドレスが潤沢なこと」「リスト(業種、規模等)が自社の営業対象であること」という2点です。

さらに、ターゲット企業単位の攻略(ABM)を正確に進めていくために重要なのは、データベースの整備にあります。
ターゲット企業選定や、コンタクト先(担当者)の棚卸しを上手く進めるためには、MAの中で名寄せしておく事が不可欠と言えるでしょう。

企業情報の名寄せは、ランドスケイプのような外部データベースで。
担当者情報の名寄せは、「Oracle Engagement Cloud」というツールで実現可能です。

4. 次世代のマーケティングツール

現在オラクルでは、世界で蓄積されている豊富なcookieデータを元にしたピンポイント広告配信ツール「BlueKai」を展開しています。

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●特徴
・プロファイルの明らかでない「匿名の顧客」の中から、理想的な顧客と似た特徴を持つ潜在顧客にターゲットでき、新規顧客の発掘をサポートします。
・自社のファーストパーティデータと組み合わせ、自社顧客の理解を深めるとともに、高精度のオーディエンスターゲティングを実現します。
・200以上のデータ・プロバイダーから提供されるサードパーティデータを通じて、50億もの匿名の顧客プロファイルと40,000以上のデータアトリビュートへのアクションが可能です。

もちろん「Eloqua」にも連携可能。
「BlueKai」で匿名のターゲット顧客にアプローチをし、「Eloqua」を使い、ターゲット顧客のナーチャリング(興味・関心を高める)を実施します。

いきなり営業電話を架けても効果の低い現代において、非常に有力なマーケティングツールとなるでしょう。
ご興味があれば是非お問い合わせください。

日本オラクル社のホームページはこちら



インサイドセールスとは? SFAとマーケティングオートメーションを活用してできることとは?