BLOG BLOG 富裕層とは、どういう意味なのか?

2018年06月11日

 日本で富裕層という言葉が使われ始めたのは、2000年代初頭であると記憶しています。なぜそう言えるかというと、ちょうどその頃、私は「富裕層マガジン」の編集をやらないかと誘われていて(そして実際その仕事について、以来ずっと「富裕層」関係の仕事にかかわっているのですが)、そのとき初めて富裕層という言葉を聞いたからです。

 では富裕層という言葉が出現するまで、富裕層のことをどう言っていたのでしょうか。

 思い出してみると、

1.小学生が同級生に
  「いいな、おまえんところは金持ちで」と直接的に金持ちと表現

2.メディアが事件を報道する時
  「〇〇市で資産家令嬢を誘拐」のように資産家と表現

3.百貨店外商の方がミーティングで
  「〇〇さんのところは、お金持っていらっしゃいますから」などのようにお金持ち、資産家など、名詞の中にはビジネスの場でぴったりする言葉がないため、「お金を持っている」ことを状態として表現

4.古くからある高級住宅街で奥様たちがご近所の家のことを
  「あちらは、それは持ってらっしゃいますからね」のように、お金という言葉はすでに消され、お金持ち、資産家という名詞を直接的に言うのも避けつつ(お金を)「持っている」状態を婉曲に表現

 思うに日本では長らく、ビジネス以外でお金のことを直接口にすることを恥ずべきこととする文化があって、このような婉曲表現が発達したのではないでしょうか。

 1.から4.の言い回しはすべて今でも、使われるでしょうし、3.と4.は表現としては、ほぼ同じです。では「富裕層」という言葉の出現以前と以後で、変わったことは何か。それは3.のように、企業=ビジネスの中で見たお金持ちを、マーケティング・ターゲットとして富裕層と表現するようになったことです。

 英語だとお金持ちはwealthy people、富裕層はHigh-net-worth。wealthy people に、資産がいくら以上という定義はありませんが、High-net-worthとなると、「主たる居住用不動産、美術品など収集品、消費財と耐久消費財を除いた投資可能資産が100万米ドル以上」ということになります。つまりお金持ちと富裕層の違いは、このような閾値(しきいち)を持つか持たないかであることがわかります。マーケティングのターゲットとなり、しきいちで分類され数値化されたお金持ちが富裕層というわけですね。

 フェラーリに乗っています。南麻布の〇〇レジデンスに住んでいます。そういう方は、ふつうに富裕層(High-net-worth)と見えます。ですが、この時点では、wealthy people。南麻布の自宅に加えてハワイ、アラモアナに400万ドル相当のコンドミニアムを所有していらっしゃるとわかった時点で、マーケティング的に数値基準を満たしたHigh-net-worth(富裕層)ということになります。

 ランドスケイプでは、独自のロジックで構築した210万件の富裕層データベースによって、富裕層の属性を徹底解析。投資可能資産で210万人をさらに4つにクラス分けしています。


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 このようにクラス分けされた富裕層データベースをもとに、富裕層顧客分析をはじめ、富裕層デプスインタビューなど、富裕層に特化したソリューションを提供しています。詳しくはこちらからパンフレットをダウンロードください。

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