
09年12月09日
シンセサイザーとメロトロン
CEOブログ
小学校の音楽教室で音楽の構成要素というのを習いました。 たぶん今でもでしょうか。
メロディとハーモニーとリズム。(ここで「楽譜の三要素」と呼びましょう)
音楽は芸術の中で最も数学的なものですが、とりわけ、
・メロディつまり音程の時系列な連続。
・ハーモニーは複数音程の同時期的な組み合わせ。コード進行。
・リズムは強弱をともなう音符の一定の流れ。
楽譜の世界では、すべてが時間軸の中での秩序が音楽です。
しかし、これは楽譜だけのことで、実際に楽しむmusic は、楽器とか音声がないと誰も感動はできないよね。
(さらに歌詞とかアーティストとか曲名とかジャケットのデザインとかもあるけど話が混乱するので今日はここでは取り上げない)
さきほど古い楽曲を聞きながら考えたのが、メロディとハーモニーとリズム以外の音楽の構成要素について述べてみたい。
そこから楽器とか音声について、さらに残響とか雑音(noise)とか含めて「音響」について考えてみた。 今日は書かないけど。
「楽譜の三要素」のように「音響」について因数分解しようと悩ませると、偶然なのか、先入観か、これも「三要素」かもしれない。
・音程
・音色
・音量
確かに、ここでの「音響の三要素」は予断もあるし楽器に詳しい人なら私の発想のネタに気がつくかも。 そう1960年代後半に開発されたアナログ・シンセサイザーが、すでに音響の因数分解をしていました。
当時のシンセサイザーは音程を電圧で制御していて(だからコンサート会場でのチューニングは素人にもわかるほど狂ってることが多かった) 電圧でさらに音響出力全体を支配していた。
・電圧で制御されたオシレーターで原型の波形を出力=音程=VCO
・フィルターによって波形を滑らかにしたり、強調(enhanced)したり、周期的に変動させたりする部門=音色=VCF
・各音の立ち上がり度合い、音符の時系列な音量差(意味不明ですね。ADSRのことだが説明難しい)=音量=VCA
アナログシンセサイザーというのは、音響を分解して、機械的に組み立てなおした、きわめて論理的な発想から生まれた発明品でした。 Moog博士が最初の発明者とどうか知らないが、電圧でロジカルに音を構築して製品化したのは間違いない。 このきわめて演繹法的な20世紀の新楽器が誕生したのが1960年代後半。
聞いているのは昨日届いた King Crimson "Court" DVD5.1ch 版ですが、1969年のこのアルバムではシンセサイザーは全く使っていない。 この曲で有名なのはもっとアナログなメロトロンという鍵盤楽器。 いや、はたして楽器と言えるかも疑問だが、鍵盤の数だけ3トラックの録音テープが並んでいて、打鍵すると録音テープヘッドに押しつけられ再生される。 つまり音程順に楽器を一度づつ演奏したものを録音して、キーで再生するという仕組み。 ループ式じゃないので8秒ぐらいで音は止るデメリットがある。 その代わり音の立ち上がり=ADSRが再現され(=打楽器と木管楽器の違いのように) とても自然な温かみを感じさせる。 鍵盤なのでフルート再生でもハーモニーすることができる。これがビートルズの"Strawberry Fields Forever"イントロ。
そう、今で言うサンプラーの原型。 今でもiPhoneかiPodで manetronと して課金しているぐらいだから魅力はあるのだろう。
つまりこういうメロトロンとかサンプラーというのは音響での積み上げていく、帰納法の20世紀の新楽器といえます。
1960年代後半に、ほとんど同じころ、アナログ・シンセサイザー(演繹法)と メロトロン(帰納法)というイノベーションが同時進行したことが私には不思議でならない。
あれから40年以上たつけど、少なくとも楽器の分野での技術進歩は、デジタル・シンセサイザー(アナログ・シュミレーション・シンセサイザーを含む)と弦を磁気で伸ばすサステナー・ギターぐらいしかないんじゃないかな。 この二つも両者の進化でしかないのだしね。




