BLOG BLOG 製造業。利益率が高い製造メーカーが行っているマーケティングとは?

2016年07月12日

製造業。

利益率が高い製造メーカーが行っているマーケティングとはどのような内容なのか?以下の3つの章立てで紹介します。


1.製造業。海外企業と国内企業の利益率の違いは?
2.海外製造業企業。なぜ、国内製造業企業よりも利益率が高いのか?
3.利益率を高めるマーケティング。セグメントの見つけ方。



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1.製造業。海外企業と国内企業の利益率の違いは?

製造業の利益率を見てみましょう。以下の表をご覧ください。1960年代の営業利益率は6%以上でした。 しかしながら、2010年度以降の営業利益率については5%を下回る形で推移しています。

製造業 売上高
(製造業の売上高営業利益率の推移/法人企業統計より作成)

では、一方の海外の製造業の営業利益率はどのように推移しているのでしょうか?ご覧のとおり日本企業と比較して高い利益率で推移していることが観察できます。

総合化学メーカー
(総合化学メーカーの収益率比較)

2. 海外製造業企業。なぜ、国内製造業企業よりも利益率が高いのか?

海外製造企業に比べ国内製造企業の利益率が低いのは、 海外製造企業に比べ国内製造企業の技術力が低い為、付加価値の低い製品しか作れない、 という事ではありません。 問題の根幹は技術力ではなく、マーケティングにあります。

ここで慶應義塾大学 余田教授が当社のセミナーで講演した内容を簡単に紹介します。
余田教授は、高い技術力を維持する日本の製造業、すなわちBtoB企業の利益率が低下傾向であるという経営課題の原因を「WTPの低下」と説明しています。

WTPとは、willingness to payの略です。わかりやすくいえばお客様の「購買意欲」です。日本の製造業の利益率が低い理由、それは顧客が付加価値を理解していないからということです。これは、つまり付加価値を認めてくれる顧客にマーケティングを展開できていないことになります。

付加価値を認めてくれる顧客への展開、すなわち利益率を高めるマーケティングが国内の製造業企業には必要となります。


3.利益率を高めるマーケティング。セグメントの見つけ方。

利益率を高めるマーケティング。それは具体的にどのように実現していけばよいのでしょうか?慶應義塾大学 余田教授は、BtoB企業のマーケティングで欠かせない考え方を図のように提示しています。

BtoBマーケティング
(BtoB企業のマーケティング~欠かせない考え方~)

この考え方の中に「標的市場の明確化とコンセプト」というものがあります。
「コンセプト」・・・商品/製品のビジョンです。
「標的市場の明確化」・・・販売戦略、すなわち誰に売るのか? です。
誰に売るのか? つまり「WTP」の高い顧客を見つけることが高い利益率につながります。

画一的なマーケティングではなく、顧客を絞ったマーケティング戦略、つまり「セグメント」こそが高い利益率の為には重要な要素になります。この「セグメント」を精緻に行うことが高い利益率につながります。

【事例】オフィス・産業関連製品製造業

オフィス、産業関連製品を製造しているグローバル企業のマーケティングプロセスの概要を紹介します。

1.「顧客」すべてをセグメント化する。
従来は、規模が大きい顧客のみを対象に「セグメント」付けを実施し、業種別にマーケティングを展開していました。
課題は、圧倒的に社数が多い中小企業に対して「セグメント」付けが実施できていないことでした。
現在は、中小企業ふくめたすべての顧客に「セグメント」付けを行っています。
その結果、すべての顧客及び見込客が業種別、従業員数別、売上高別などで「グループ分け」(セグメント)できるようになっています。

2.「セグメント」をマーケティングに生かす。
もし、自社の製品が一定の業種に良く売れているならば、「業種」という「セグメント」キーが有効に機能します。 たとえば、ある製品が食品卸売業に対して多く流通していたとします。その場合は、見込客すべてに対して販売促進を展開するのは非効率です。 もっとも合理的なマーケティングは、見込客の中で食品卸売業を営む事業会社にのみ施策を展開することです。

3.グローバル企業はどのようにすべての顧客をセグメントしたのか?
このグローバル企業は、中小企業含めたすべての顧客に対して「セグメント」づけを実施しました。その顧客のレコード数は「数十万件」にもおよびます。 この大量のレコードに対して「セグメント」づけを行うにあたって活用したのが当社の顧客データ統合ツール「uSonar」です。

顧客データ統合ツール「uSonar」/ランドスケイプ

このグローバル企業は顧客データ統合ツール「uSonar」を活用して下記のマーケティングプロセスを実現しています。

マーケティングプロセス
(顧客データ統合ツール「uSonar」を活用したマーケティングプロセス)

1.営業活動/展示会で収集した名刺情報を「即時」データ化。
2.すべての顧客レコードに「属性」を付与。セグメントを容易に実現。
3.日本最大企業情報「LBC」820万拠点を活用。未取引企業を見える化。
4.社内のSFAやMAと連携。セグメントからプロモーション実行までのプロセスの負担を軽減。
5.移転/合併/倒産などの事業会社の変化情報を自動的に取り込みし、反映。



今回は、製造業のマーケティングを以下の3つのテーマで説明しました。

1.製造業。海外企業と国内企業の利益率の違いは?
2.海外製造業企業。なぜ、国内製造業企業よりも利益率が高いのか?
3.利益率を高めるマーケティング。セグメントの見つけ方。


御社のマーケティングプロセスについてお気軽にご相談ください。
ランドスケイプ/営業部 03-5388-7000



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