BLOG BLOG BtoBマーケティング。データを活用してマーケティングを展開する。~企業情報マスター活用からはじめるデータ・ドリブン・マーケティングとは?~

2016年11月24日

データドリブンマーケティング

BtoBマーケティングの大きな流れ、そのひとつがマーケティングオートメーションです。2016年度にはいってから、このマーケティングオートメーションを導入する企業が増えています。実際に、マーケティングオートメーションのパッケージベンダーが発表している導入社数は、2015年度と比較して120%以上の実績となっています。マーケティングオートメーションを導入すると、メールのクリック履歴などのデジタル情報を活用したコミュニケーション設計が可能となります。

こちらのブログでは、デジタル情報を含めた企業が保有するデータをどのように活用してマーケティング施策の立案と実行ができうるのか?について、基本的な内容を中心に紹介します。

以下の4つの章で説明します。

1.データ・ドリブン・マーケティング。活用する4つのデータとは?
2.企業情報マスターを軸にデータを連携させて活用する。
3.データを観察してマーケティング施策に反映するには?
4.ファネルマーケティング。落とし穴と対策とは?



1.データ・ドリブン・マーケティング。活用する4つのデータとは?

BtoBマーケティングでは、データを活用してマーケティングを展開することが大変に有効です。その結果、売上につながるマーケティングが何なのか? 効果を計測しながら修正することが可能となります。データを活用して、見込客を発見し、育成し、そして営業部に引き渡す条件、質を担保する、この一連の流れを「データ・ドリブン・マーケティング」と呼びます。BtoBマーケティングでデータ・ドリブン・マーケティングを実現するには、下記の基本的な4つのデータを活用することがポイントです。

データドリブンマーケティングに活用する実績、契約社データ (1)実績、契約社データ
データドリブンマーケティングに活用する商談情報を中心とした案件管理データ (2)商談情報を中心とした案件管理データ
データドリブンマーケティングに活用するコンタクト先を管理する名刺を中心とした個人情報 (3)コンタクト先を管理する名刺を中心とした個人情報
データドリブンマーケティングに活用する企業の基本情報を格納する企業情報マスター (4)企業の基本情報を格納する企業情報マスター

そして、この(1)(2)(3)(4)のデータを一つの共通IDで管理、運用することで売上につながるマーケティングを展開することができるのです。しかしながら、現状は、(1)(2)(3)(4)のデータをバラバラに保持して、適切な運用ができていない企業が多いのも実情です。


2.企業情報マスターを軸にデータを連携させて活用する

御社のマーケティング活動では、以下のような事象が発生したことはありませんでしたか?

「営業部門に引きわたしたリード情報。営業部から良い商談につながらなかったという報告を受けたことがある。」

上記の事象が発生する理由のひとつが「ターゲティング」の漏れです。ターゲティングとは、御社が取引を行う「条件」です。 たとえば、業種は製造業、規模は従業員数500名以上、売上高200億円以上というものです。

1.のデータ・ドリブン・マーケティングでは、4つのデータを活用することがポイントになると説明しました。この「ターゲティング」の漏れをなくすには、その4つのうちの④企業の基本情報を格納する企業情報マスターが重要となります。企業情報マスターとは、正確な状態で登録された顧客ならびに見込客情報の集合体です。この企業情報マスターは、たとえば、営業部が忙しいを理由に見込客情報を正確に登録しない場合などに役立てることができます。正確ではない見込客情報に対して企業情報マスターとの照合を行うことで、正確な見込客情報に変換することができるからです。

ところで、今、御社には企業情報マスターは存在していますか?企業情報マスターを御社内部に保持することによって、見込客情報をいつでも正確な状態で保持することが可能となります。その結果、新しく発生した見込客情報が御社のターゲットとして適合するのか?それとも不適切であるのか?についても正確に判断することができるようになります。


3.データを観察してマーケティング施策に反映するには?

マーケティング施策を立案し、実行していくためには、まずは御社と顧客の現在の取引状態を正確に把握することが必要不可欠です。そこで、現状の取引状況を把握をするために活用したいのが(1)売上実績、契約社データです。このデータを下記の手順で整理することで、売上につながるマーケティング施策の立案につなげることができます。

1) 売上実績、契約社データをクレンジングを行ない、名寄せする。
  →結果として、正確な顧客数と顧客別の取引金額が把握できます。

2) 1)の取引データを企業情報マスターと照合する。
  →結果として、業種ならびに規模別に顧客の分布図を把握できます。

3) 2)の結果を、下記のような分類で集計を行ない、観察をしてみる。
  A;売上が多い企業群
  B;売上が少ない企業群
  C;売上がまったく無い企業群

  →強みが発揮できている市場とまだまだ課題がある市場の区別ができます。

4) 3)A、B、Cを 業種ならびに規模別に集計し、観察する。
  →契約につがりやすい業種、契約につながりづらい業種などを把握できます。

5) 4)の結果情報/契約につながりやすい業種、規模に合致した企業を優先的にマーケティングを展開する。


4.ファネルマーケティング。落とし穴と対策とは?

データドリブンマーケティングとファネルマーケティング

BtoBマーケティングご担当者ならば「ファネルマーケティング」についてお聞きになったことがあるかと存じます。ファネルマーケィングとは、そのファネルという名前のとおり、発生した見込客をいくつかのステップを通じて出口(受注)にむけて育成を図るというものです。しかしながら、このファネルマーケティングには、気をつけておきたい「落とし穴」があります。それは、ファネルの出口に向かって、残念ながらこぼれていく、落ちていく見込客情報です。具体的には、「タイミングが今ではない。」「予算は本年度確保していない。」という見込客情報は、出口(受注)には向かわないで、いったん「対象外」となります。落とし穴とは、このいったん対象外となった見込客情報の扱いについてです。もし、こうしたいったん対象外となった見込客情報が、企業情報マスターと照合して、御社のターゲット企業となるセグメント条件と一致しているならば、対策が必要です。その対策とは、対象外で放置するということをやめることです。

ファネルマーケティングで大切なことは、このいったん対象外となった見込客情報をもう一度ファネルマーケティングに「戻す」という作業なのです。タイミングが今ではない企業については、御社の課題解決範囲に対して、緊急度合いが増した段階で案件化し、そして受注になる可能性があります。また、予算が確保できていない企業については、御社の課題解決範囲が先方において「プライオリティ」が高くなったタイミングで予算化される可能性があるわけです。したがって、御社のターゲット企業のセグメント条件と一致する見込客情報については、ファネルからいったん切り捨てるものの、もう一度マーケティングプロセスに組み込むことが大切となります。



【データドリブンマーケティング×SFA・MA】

データドリブンマーケティングを有効活用したSFAやマーケティングオートメーション(MA)などの営業支援ツールを導入するBtoB企業の成功事例も多く、これからも導入する企業が増えていくと思います。 ただし、その成功事例の裏には、まだまだうまく成果が出ていない、導入に失敗したなど、気をつけなければいけないポイントをおさえなければ、 SFAやマーケティングオートメーションを導入しても望ましい成果を得ることはできません。

ポイントの詳細をまとめたホワイトペーパーを無料でダウンロードできます。

※データドリブンマーケティングの意味

データドリブンマーケティングとは、日々増え続けている膨大なマーケティングデータを統合的に活用し、PDCAサイクルを回しながら次のアクションを起こし、成果を上げていく手法です。


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