BLOG BLOG 本「アマゾンのすごいルール」から学べる視点は?

2018年07月31日

1.本「アマゾンのすごいルール」との出会い

私たちの日常生活を振り返ってみると、アマゾンがあるおかげで、快適で便利な暮らしが出来ているのではないでしょうか?
また、ビジネスマン、特にマーケティングに従事する人が関心があるのは、そのアマゾンの仕組みではないでしょうか?
私も、アマゾンの仕組みに関心がある人間のひとりです。過去、アマゾンがどのようにデータベースマーケティングに取り組んでいるのか?を知るために、私が読了した書籍は以下です。
『アマゾン社員の教科書;データ・ドリブン・マーケティング』
*当社のブログで概要をまとめています。

そして、アマゾンにさらに関心を持つようになった私が2018年に手にとった書籍が以下です。
『アマゾンのすごいルール』佐藤将之 氏 著

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2.「アマゾンのすごいルール」から学ぶ「Scalable」とは?

本『アマゾンのすごいルール』。実務者の私にとって非常に嬉しいのは、著者の佐藤氏がアマゾンジャパンの元社員ということです。
さらに、この佐藤氏はアマゾンジャパンの立ち上げ当時から15年間にわたって勤務した実績をお持ちです。そのため、本に記述されている内容はどれもが具体的です。

【Scalable】
直訳すれば、拡張/拡大です。

アマゾンは顧客に対するサービスレベルの質を落とさない、いえ発展させることを重視していることは周知のとおりです。驚くのは、この裏側にある「Scalable」の規模感です。

アマゾンが考える「Scalable」の規模感は、現状の2倍、10倍という次元ではありません。アマゾンの「Scalable」は、現状の1,000倍、1万倍を指します。
この規模を想定した場合、従業員の善意を前提とした「おもてなし」では継続も拡張も出来ません。そこで、アマゾンは、仕組みをつくり「Scalable」を実現することを重要視しています。

3.「アマゾンのすごいルール」から学ぶ人事プロセス(採用ならびに評価)とは?

前章の2.ではアマゾンの成長規模の視点ならびに投資する際の着眼点について説明しました。
続いては、人事プロセス(採用ならびに評価)についてです。

アマゾンには、リーダーシップ概念を文章化したOLP(Our Leadership Principles)が存在しています。アマゾンが社員に求める行動や考え方のベースを記述したものです。OLPは、全部で「14箇条」で構成されています。アマゾンのOLPについて具体的に知りたい方は、ぜひ本『アマゾンのすごいルール』を購読してください。

【OLPが採用ならびに評価の軸となっていること】
(採用)
アマゾンでは、OLPを社員を採用するときの評価の軸として採用しています。この面談候補者は、アマゾンが求めるリーダーシップ概念を体現できるのか?
(評価)
社員の評価を行うときにも同じくOLPを評価基準として採用しています。アマゾンで活躍している社員は、どのくらいリーダーシップ概念を実行できているのかなお、社員を評価する際は、上司でだけではなくて、プロジェクトで一緒となった社員も評価に加わります。

【具体的な行動を記述し、評価する】
アマゾンのOLPの第1条は「Customer Obsession」/カスタマー志向です。評価者は、評価対象となる社員のどんな行動「CustomerObsession」にプラスに働いたのか? という具合に具体的に記述することが求められます。

4.「アマゾンのすごいルール」から学ぶ「プレスリリース」思考とは?

ここでは、新規のサービスリリースにあたって、アマゾンで実施されている「プレスリリース思考」を取り上げます。
みなさんの会社でも、プレスリリースを実施されているかと思います。このプレスリリースの目的は、外部機関向けに対して現状や実績を正確に理解してもらう位置づけではないでしょうか?

【アマゾンの情報共有:プレスリリース形式】
アマゾン内では社内の情報共有においても、プレスリリース形式を採用しています。理由は「プレスリリースには相手の知りたい事が網羅されている」からです。

新規の事業やプロジェクトにおいて、プレスリリース形式でドキュメントを作成すると、「どんなお客様が対象で、どんな点に喜びを感じているのか?」が具体的にイメージしやすくなります。同時に問題点、不備なども可視化されるため、ミーティングの前に全員がプレスリリースドキュメントを読むことで、ミーティングに参加する全員が同じ認識を持ってミーティングに臨むことが出来ます。

アマゾンではこのような工夫により、短期間でも意味、意義のあるミーティングが日常的に繰り広げられています。

5.さいごに

今回、『アマゾンのすごいルール』を購読した動機は、アマゾンのカスタマーサクセスや組織の強さに触れたかったからです。
読了後の感想は、採用から評価まで、アマゾンが社員に求めるOLP(Our Leadership Principles)が徹底されているということです。アマゾンの強さは、ビジネスモデルにあるのは誰もが知っていることです。しかし、このビジネスモデルを加速度的に発展させているのは、各国で活躍するアマゾンの社員であること、その裏側にOLP(Our Leadership Principles)があることを学べたのは貴重な機会でした。

合理的な仕事術にご興味のある方はぜひ手に取ってみることをおすすめします。