2019年02月14日
2019年1年24日 NECネクサソリューションズ社を共催に迎え、
「BtoB インサイドセールス事例セミナー」を開催。同社のインサイドセールス事例を公開。
担当者による営業力強化を目的にSFA導入の背景と、その際に生じた課題をどのように克服したのかを紹介しました。
本記事はセミナーのダイジェスト記事であります。
概要
【第1部】「弊社eセールスマネージャー活用事例ご紹介」
【第2部】「弊社インサイドセールスによるお客様接点拡大の取り組みご紹介」
【第3部】「SFA・MA導入後、成果を上げるために必要なデータの持ち方とは?」
詳細
NECネクサソリューションズ社では、SFAツール「eセールスマネージャー」を活用し、日々営業活動に取り組んでいます。今回はSFAを用いて設計している営業プロセスについて、SFA導入前の課題や、導入後の成果アップにつながったポイントを講演しました。
同社では、SFAを用いて設計しているPDCAサイクルの中に、「See/Self-Check(モニタリング)」という独自のステップを取り入れています。DとCの間に行っており、モニタリングをしながらチューニングを行い、業務効率・営業成果を上げています。
1. SFA導入前の課題
NECネクサソリューションズ社は、NECグループ販売会社5社が合併して発足した会社です。そのため発足当初の課題は、顧客対応/マネジメント/プロセス等が統一されていないことでした。
足並みが揃わない中、解決のために整理したのが「See/Self-Check(モニタリング)」のステップです。重要視したのは、「結果ではなくプロセスを見る仕組みの設定」でした。
その為には「プロセスが定義され、標準化されている」必要があります。そこで、「コアプロセスマップ」策定から取り組みました。
しかし、その当時はSFA未導入であったため紙ベースで整理を行っていました。そのためキャビネットの肥やしになっただけ、という状態になってしまいます。この事が、NECネクサソリューションズ社でSFAを導入するきっかけとなりました。
2. eセールスマネージャーでの運用一元化、フル活用
SFAの導入時期は2005年。ですが、2016年に運用をSFAに集約/一元化するまで、10年もの間、理想としている営業活動/管理の統一は叶っていない状況でした。
SFA利用が定着せず、マーケティング/インサイドセールス/営業の連携が取れていない状態であったのです。
2016年、SFA(eセールスマネージャー)での運用一元化を決意。以下のような構成で新たなスタートを切りました。
【eセールスマネージャーの代表的な構成】
1.カスタマーシート(見込み企業の基本情報を格納)
2.ビジネスシート(案件情報を格納)
3.コミュニケーションシート(活動履歴を格納)
4.パーソンシート(名刺情報を格納)
この構成/使い勝手が、プロセス策定を重視するNECネクサソリューションズ社にピタリとフィットし、全ての営業活動をeセールスマネージャーで統一後、早速以下の①②の効果を実感しました。
・効果①:階層別の営業マネジメント(タイムリーな状況把握・戦略策定)が可能になった
・効果②:基幹システム側の取引あり企業にも統一コード付与できる為、取引あり・なしの把握が容易になった
3. 業績アップに向けた具体的な取組み
では業績アップに向けて、具体的にはどのような取組みを行ったのでしょうか。
①PLAN//ターゲティング
バックオフィスがビジネスシート(案件情報)を作成し、営業マンに提供。営業マンがコア活動に集中出来るようにしました。
※なおターゲティングではデータの整備(名寄せ、更新)も重要です。
NECネクサソリューションズ社では、外部/ランドスケイプのリソースを活用しています。
ABMツール「uSonar」を導入し、徹底的に名寄せ・情報更新処理を行っています。
②DO//入力量の確保
実行(DO)で重要視したのは「入力量の確保」です。以下を実践しました。
1)SFA入力情報の「見える化」「意味づけ」
2)営業の入力情報を元にした「的確なフィードバック/サポート」
3)ターゲット企業から得たBANTC情報による「セルフマネジメント/コーチング」
*BANTCとは・・・B (Budget/予算)、A (Authority/決裁権)、N (Needs/必要性)、T (Timeframe/導入時期)、C (Competitor/競合)
4)タイムリーな入力と反応をKPIとして設定、「評価する仕掛け」
5)営業活動(顧客貢献)「時間確保の阻害要因排除」
このうち 1)2)は、eセールスマネージャーの「見込メンテリスト」「タイムライン」等の機能で実践しています。
3)4)5)は、eセールスマネージャーの運用に合わせて活動/社内ルールを都度決定。継続的に最適化へ取り組んでいます。
4. eセールスマネージャー フル活用による成果
上記の取組みを通じて、SFA活用が確実に定着化。次の成果が上がりました。
・活動5日以内のeセールスマネージャー入力数・・・前年比7,900件増加
・活動3日以内のeセールスマネージャー入力率・・・82%
5. まとめ
NECネクサソリューションズ社がeセールスマネージャーでの運用一元化を決定し、活用が定着化した理由は、「コーチングとマネジメントに必要な情報が入力しやすい」「簡便に見える化できる」という点です。
eセールスマネージャーは、フル活用できれば「成果につながる新営業支援システム」となります。そのポイントは、全社レベルで活用・行動していく事です。
NECネクサソリューションズ社では、各社様のプロセス整理、eセールスマネージャー定着支援など幅広いサポートを行っています。ご興味があれば是非お問い合わせください。
※NECネクサソリューションズ社のホームページはこちら
https://www.nec-nexs.com/
第2部では、NECネクサソリューションズ社が取り組む「インサイドセールス」の取組みについて紹介しました。
はじめに、NECネクサソリューションズ社のインサイドセールスの主な活動は、リードの初期コンタクトを担い、営業に商談機会を創出することを目的にしています。
MAによるデジタルなアプローチから、認知と興味喚起を行い、関係を醸成しながら、テレセールス、オンライン商談を行い、案件の確度を高めていきます。
そして、インサイドセールスとフィールドセールスの連携、共有については最も気を遣って注意している部分です。
インサイドセールスとフィールドセールスで、役割及び対応範囲、ルールを明確にし、認識を合わせて協力体制を築いています。
SFAとMAを連携させて、情報の行き来もツール上でできているため、常に情報の共有はできている状態を作っています。中でも重要な情報は担当営業と直接コミュニケーションを取って、その点でも認識の共有を行っています。
重要な点は、自社の状況にあった体制を作ることですが、フィールドセールスとの共有及び、共通のルールやデータを貯めていき、情報や状況に合わせて常に行動も合わせて変えていくことが求められます。
インサイドセールスは、それに取り組む会社の数だけ形があります。自社に合った形を見つけるためのヒントや一助になれば幸いです。
株式会社ランドスケイプ 営業部 マネージャー 樋代 周平
ランドスケイプのパートでは、SFA/MAなどのツールを活用する際の課題とその解決策を紹介しました。
営業効率化やインサイドセールスを推進、検討している方に向け、事例を交えお話しました。
第1章:SFA/MAツール活用の課題
SFA/MA活用の課題として、本章では次の2点をご紹介します。
SFAの一つである、eセールスマネージャーを導入しているNECネクサソリューションズ社にも生じた課題です。
1.そもそもデータが汚れている
・統廃合や住所移転、社名変更による表記ユレ
・属性情報が不足、メンテナンスされていない
上記のように、汚れているデータをSFAやMA、名刺管理ツールの中に落とし込んでしまうと、精緻なアウトプットを得られず、ツールの効果は期待できません。
そもそも基盤となるデータが汚れてしまっているため、全ての情報も有益なものにはなりえないのです。
2.ツール毎にデータが分散してしまっている
連携していないツール同士では、ツール毎にデータの重複、新旧の情報が混在している状態が発生します。仮に連携していても、統一コード等で統合されていない場合は、正しい情報が共有できない可能性が非常に高いのです。
例として、MAからメール配信する際の問題点を見てみましょう。
3.SFA/MAを使用した失敗例
MAからメール配信する際に、
・新しく獲得した名刺情報が反映されない
・SFAにある企業情報がターゲティングに使えない
といった問題をクリアできていない場合、メール一つの効果も期待できません。
下の図は、ターゲティングできていないメールを届けてしまう実際の例です。
左、右2つのメールは実際に当社の男性社員宛に届いたメールです。
件名にご注目下さい。
左は「ビルオーナー/建築」関係者をターゲットとしたサービス案内です。
右は女性を対象にした「化粧品」のイベント案内でした。
受け取った本人は、ビルオーナーでもなければ、男性のため女性向け化粧品には興味がありませんでした。
このようなメール配信は、ターゲットが合致していないため、成果を生まず、無駄になってしまいます。これでは、せっかく獲得したメールアドレスも配信停止へと追い込まれてしまいます。
では、お互いにデータを連携させるためにはどのような打ち手があるでしょうか。
第二章:解決のポイント
このような課題を解消する考えが、顧客データの一元化(CDI)の実現です。
CDIを実現する仕組みとして、ランドスケイプでは、外部データの活用を推奨しています。
ランドスケイプでは820万件に法人データベースを保有しており、全てのデータにユニークなコード(LBC)を付与しています。
このコードを各ツール内のデータに与えることで、システム上で重複を認識させ、ツール内に分散したデータを紐付けることが出来ます。
第三章:ビズリーチの事例
本セミナーでは、以上のようなデータ活用を通じて、
・営業一人当たりの生産性172%向上
・受注までのリードタイム51%短縮
以上を達成したビズリーチ社の事例をご紹介しました。
詳しくは、ビズリーチ社との共催セミナー実施記事をご覧下さい。
9年間で社員数2名から800名に急拡大し、成長を続けるビズリーチ。法人営業の「仕組み」とは?
ここまでお読みいただきありがとうございました。
お役立ちいたしましたら幸いです。