BLOG BLOG オラクル社共催「先進事例にみるマーケティングと営業のデジタル活用について ~インサイドセールスとMAの活用で効果を最大化する仕組みとは?~」セミナー実施報告記事

2019年03月20日

2019年3月6日(水)日本オラクル社、ランドスケイプの2社共催セミナー
「先進事例にみるマーケティングと営業のデジタル活用について~インサイドセールスとMAの活用で効果を最大化する仕組みとは?~」
を実施しました。以下、実施報告記事となります。

【概要】

第一部 日本オラクル株式会社
    クラウド・アプリケーション事業統括
    横山富 氏

第二部 株式会社ランドスケイプ
    インサイドセールスセンター
    戸崎拓也

    営業本部 CDIソリューショングループ
    木全修一

第三部 日本オラクル株式会社
    クラウド・アプリケーション事業統括
    事業開発本部 ビジネス企画・推進部
    サンタガタ麻美子 氏

第一部 BtoBデジタル・エクスペリエンス、【勘と経験】から【デジタル武装】へ ~ITで有望顧客を発見~

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日本オラクル株式会社 クラウド・アプリケーション事業統括 担当シニアマネージャ 横山富 氏

1.デジタルによる購買行動の変化

BtoBにおいても、商材・サービスをお客様自身がネット上で情報収集することが当たり前になってきました。オラクル社に寄せられる問合せ内容をみても、初めての問合せにもかかわらず「いくらですか」という見積もり前提の内容が送られてくるそうです。つまり、商材の特徴についてはお客様自身が既に調べ、把握しているということです。

お客様の購買行動の変化に従って、企業側も変化していく必要があります。

2.MA(マーケティングオートメーションなぜ必要か)

営業が接点を持つ以前に、お客様自身が商材・サービスについて情報収集しているという状況では、お客様の興味・関心がどこにあるのか、そしてその度合いを把握する必要があります。

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そのために必要なのが、MAを活用したデータの収集と管理です。

お客様となるリードの
Web上での行動履歴
メールの開封、資料の閲覧
といったデータを集めることにより相手の興味・関心を捉え、相手の状況に合わせた適切なアプローチが行えます。

3.MAの特性

リード創出をミッションとするマーケティング部と営業部の活動スタイルは全く異なります。マーケティング部では新しいお客様・リードを創出すべく、日々セミナーや展示会を運営していくため、効果測定のサイクルを常に回さなければいけません。

そのため、MAは、SFA(営業支援システム)とはことなり、見込み客の動きを包括的に把握し、分析する必要があります。

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このように、MAではリードの行動履歴を拾っていくことで、効果測定がシームレスに行えます。さらに、行動履歴を蓄積していくことで、自動的にスコアリングが可能になります。MAの機能であるスコアリングでは、優先順位が可視化でき、無駄なフォローをなくし、案件化率を上げる効果が見込めます。

4.スコアリング

リードに関する様々なデータは、一貫したシステムの下で行う必要があります。

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メール施策のデータだけでなく、各種イベントやweb上の解析データも一元的に分析できる状態でないと、確実なスコアリングができないためです。

さらにはSFA(営業支援システム)や基幹システムとも連携させることで、効率的なリード管理が可能になり、営業生産性を向上させます。

5.MAによる営業力の強化

スコアリングにより、高得点のリードを営業に渡すことができれば営業の生産性向上につながります。しかし、得点の高いリードが本当にホットリードであるのか見極めることが次の課題です。

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web訪問が多く、得点は上がっていくけれど実は学生であった。競合企業による情報収集であったなど。自社のアプローチしたいターゲットではなかったという問題があります。

本当にホットリードを発掘するにはどうすれば良いのでしょうか。

詳しい説明は「第2部」に譲りますが、営業側も、訪問してどうだったのか、フォローしたフィードバックを行うことで、MAの情報を強化していく。営業とマーケティングで協力して情報を積上げていく。という仕組みを作ることで、MAによるリード創出が実りあるものに育てられます。

このようにオラクル社では、営業がデジタルチャネルを活用することを推奨しています。MAから創出したリードをむやみにパスして、結局営業は追わず、無駄になってしまうという事態を回避できるからです。第3部では、オラクル社自身の積極的な営業活動へのデジタル活用を紹介しました。

6.オラクル社のMA「Oracle Eloqua」

オラクル社が提供するMA「Oracle Eloqua」では、実際の営業活動を効率化し、効果測定機能により確度の高いリードを捻出できます。その結果、マーケティング部門の生産性を向上させ、営業力の活性化にも繋がります。

セミナーでは、導入事例として、日本電気社、リコー社、ルネサスエレクトロニクス社などのマーケティング活動についてご紹介しました。

詳しくはこちら

第二部 インサイドセールスのMA活用事例

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株式会社ランドスケイプ インサイドセールスセンター 戸崎拓也   

ランドスケイプのインサイドセールスでのミッションは主にリード創出とナーチャリング。そしてアポイントを獲得し営業にパスすることです。
その取組みとMAの活用について紹介しました。

1.インサイドセールス立ち上げ

インサイドセールス立ち上げ当初は、ただひたすら電話してアポを取ろうとしていました。当然、成果はでません。
いきなり電話しても、アポイントはおろか、担当者に繋いでもらうことも叶いませんでした。

そこから、まずは関係構築から始める必要があると思い当たり、情報提供やヒアリングを重ねていくプロセスに転換しいきます。
マーケティングモデルの「ファネル」に当てはめると以下のような形です。

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このファネルの内容を少ない人数で実行するために、メール配信やリード管理を効率化すべくMA(Oracle Eloqua)を導入しました。

2.MAで結果を出すためには

ファネルの上段で行う信頼形成を目的として、情報提供のメールをMAより配信しています。
MAを活用する上で重要なのが、相手に合わせたコンテンツを届けることです。製造業の相手に人材業界向けの事例を送っても伝わらないのです。折角メールを見てくれた、呼んでくれても、メール自体が無駄になってしまいます。少なくとも業種の把握は行う必要があります。

当社の例ですが、ただの一斉配信の場合、開封率は約8%
業種別に合わせたメール配信では26.98%まで上昇しました。

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相手に合わせたコンテンツ配信は、MAを有効活用する上で必須の条件です。
当たり前のことですが、これらを実現するのは、相手の属性情報(業種など)をMAなどのCRMにしっかり入れておく必要があります。

その手法について説明していきます。

3.使いこなせないMAの課題

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株式会社ランドスケイプ 営業本部 CDIソリューショングループ 木全修一

「導入したけど取敢えず一斉配信している。」という担当者の声をよく聴きます。
送る相手を絞りたくても、業種や売上規模を把握できていないのでセグメント出来ないのです。

BtoBにおいてMAを活用ために必須の要素を2つお話します。

①属性付与

「相手に合わせたコンテンツを送りたい」
「自社のターゲットか判断したい」

そのために必要なのが、相手の企業の属性情報です。どのような業種なのか。売上規模や従業員数が見込み客として合致するのか。さらには、グループ企業など資本系列を把握することで、より効果的な施策が確立します。

②名寄せ

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企業属性はしっかり格納されていても、社名の表記揺れや同一企業の重複、住所移転、合併・吸収の情報が全て整備されているでしょうか。
これらの売上規模や従業員数を把握するために、HPを探して一つ一つ確認することはMAの実装において現実的ではありません。

当日は、MAによる精緻なリード管理。そしてセメンテナンスの手法について、解説しました。ご興味の方はこちらより。

MAを強化するデータ戦略の紹介をみる >> 「法人データベースLBC

4.ランドスケイプのインサイドセールス:現在

信頼形成から始まり、情報提供やヒアリングを重ねていくことで、アポイント自体は数が取れるようになりました。
しかし、残念ながら営業の受注率向上にはなかなか繋がりませんでした。

アポイントの獲得が目的であったインサイドセールスでは、ニーズやポテンシャルが取得できれば即、営業にパスしていました。BANTでいえば、Needsの確認しかしていなかったのです。予算や、時期に関しては全く取得できていなかったのです。

そこで、これまでメールと電話中心のインサイドセールスでは、「bellFace」(Web会議ツール)を駆使したオンライン商談を開始しました。より詳細な商材の説明、より密なヒアリングを通すことで、より精緻なリードの精査を実践しています。

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当社でも取り組んでいるインサイドセールスについて、ホワイトペーパーとして纏めてございます。
是非ご覧下さい。

★ダウンロードはこちら「インサイドセ-ルスの役割とコツ -BtoB企業の営業効率を劇的に改善!- 」

第三部 オラクルデジタル営業本部、成長する営業組織のデジタル活用事例

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日本オラクル株式会社 クラウド・アプリケーション事業統括 事業開発本部 ビジネス企画・推進部
CX担当マネジャー サンタガタ麻美子 氏

登壇頂いたサンタガタ 麻美子氏は、2017年より発足したオラクルデジタルに所属しています。

拠点である「デジタルハブ」では、デジタルツールとデバイスをフルに活用した営業活動を行っています。オラクル社自身によるデジタルを駆使した営業スタイルをご紹介します。

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1.オラクルデジタルのミッション

・オラクル社の知名度は低いミッドマーケット(中堅・中小企業)の新規開拓
・少ない人数で全国のミッドマーケットをカバー

以上のようなミッションを遂行するためには営業の生産性を上げ、マーケティング効果の最大化が不可欠となります。

営業範囲として全国のミッドマーケットを対象にしているため、やみくもにアポイントを取って訪問していくスタイルでは立ち行きません。
ではどのように効率化しているのでしょうか。

2.マーケティングと営業の連携

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前任がマーケティング部であったサンタガタ氏によると、マーケティング部が創出したリードはそのまま営業にパスしていたそうです。
更なる効率化が求められる状況の中、マーケティングと営業の間でリードの精査を担う「Business Development Consultant(BDC)」という組織を立ち上げました。

「BDC」ではマーケティングによるリードを営業に渡す前段階で、より踏込んだ精査をしています。

・足りないBANTを確認
・リレーション構築
・より深いヒアリング

など、この工程を追加することで、マーケティングリードの迅速なフォローが可能になり、また、営業にわたった際、直ぐに商談に入ることができる状態まで仕上げているのです。

「BDC」ではマーケティングが創出したリードだけでなく、自ら新規アプローチも行っています。
現在、全体の案件創出の約4割が「BDC」経由で案件となっています。

3.営業のデジタル活用による見える化、効率化

オラクルデジタルでは、「Customer Connect」というツールがフル活用されています。

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「Customer Connect」は、MA(Oracle Eloqua)やSFAのOracle Sales Cloudなど各種ツールと連携しており、お客様に関するあらゆるデータ(顧客360度ビュー)をリアルタイムで可視化することができます。

Oracle Eloquaから算出したスコアも表示されるので、フォローすべきマーケティングリードの優先順位も把握でき、最適なフォロー体制が取れます。ワンクリックでメール/電話が行え、さらにログ・履歴も自動で記録されるため、入力の手間も省くことができます。

システムが一貫して繋がっていることで、顧客に関する様々な情報がシームレスに可視化され、「webの行動履歴はこのツール」「商談履歴はこのツール」のように専用のツールを幾つも導入しているため営業活動自体が煩雑になってしまうといった課題を解消することができます。

オラクルデジタルでは、Oracle EloquaやOracle Sales Cloudなど、営業のデジタル活用を積極的に取り入れることで、広いターゲットに対し少人数での営業活動を実行しています。今後も、次々に拡張されていくクラウドの機能をフル活用して、次世代のデジタル営業の形を模索していく予定です。

4.デジタル活用の現場

営業活動へのデジタル活用、インサイドセールスの実装について、参考すべき知見が詰まっている「デジタルハブ」では、ご希望のお客様に対して、特別に見学ツアーも行っています。

詳しくはこちら

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