BLOG BLOG 利益へつなげる「データ分析」。 ~大阪ガスの「データ分析」から学ぶ。

2019年07月25日

データ分析の業界で知名度ならびに実績がある会社のひとつが大阪ガスです。
大阪ガスのデータ分析の取り組みは、雑誌をはじめとするメディアで取り上げられる機会も少なくありません。大阪ガスのデータ分析の取り組みからどのようなことが学べるのでしょうか?

大阪ガスのビジネスアナリシスセンター所長の河本様が自らが自社のデータ分析の取り組みを解説した書籍、『最強のデータ分析組織』(河本 薫 氏)を読み解きながら考えてみました。

data001.jpg

1;データ分析が利益につながらない理由とは?

データ分析業務には、必ず依頼者(利用者)と作業者という2つの人物が登場します。
著者の河本氏は大阪ガスで20年近くにわたって分析に携わった作業者側の人物です。

皆さんはデータ分析の業務を通じて「分析が終わった。さて、次どうしよう?」というシーンを体験したことはありませんか?
河本氏は、データ分析が利益につながらない理由のひとつとして「作業者が、依頼者(利用者)側の視点を汲み取っていないこと」と記載しています。(『最強のデータ分析組織』(58ページ))

2;データ分析。利益へつなげるためには?

大阪ガスでは、ガスサービスの顧客データ、工場の稼働状況を含めて多くのデータ分析を行っています。
多くのデータ分析業務を行う上で、大阪ガスではデータ分析の目的を定義しています。
「大阪ガスが使い、結果として業務変革につながること。」
「業務変革は現状の意思決定プロセスの一部を否定し、新たなプロセスに改めること。」
(『最強のデータ分析組織』(28ページ))

元々は河本氏の部署でもただデータを分析するだけで終わっている事が多かったとの事です。
データ分析を作業だけで完結しないで、利益につなげるためには何が必要なのでしょうか?
それは、依頼者(利用者)にデータ分析結果を使ってもらうこと、さらに業務の目的達成の意思決定支援の材料となることが必要です。

3;データ分析。大阪ガスが実行する「3」つのプロセスとは?

大阪ガスは3つのプロセスでデータ分析を行っています。

①課題を見つける。
②課題を解决する。
③分析結果を使わせる。

p24_process.png

『最強のデータ分析組織』(24ページ)

大阪ガスのデータ分析業務におけるポイント、それは「③分析結果を使わせる」ということがプロセスに組み込まれていることです。
著者の河本氏は、分析結果を使わせるにあたって、データ分析者側の大切な行動を示唆してくれています。

4;データ分析。分析者側の大切な行動とは?

大阪ガスでは、分析者側と依頼者側で業務目的、分析結果の経過報告、分析前の仮説検証の妥当性を含めた分析情報の流通度合いを高める取り組みを行っています。具体的には、分析者側が依頼者側の事業部門の現場担当者と積極的なやりとりを行っています。

たとえば、依頼者側に仮説があれば、その仮説の内容とその根拠をヒアリングしたうえで分析業務を実行します。
なぜ、大阪ガスのデータ分析者は依頼者との距離を縮めるのでしょうか?
それは、分析者側が依頼者側の意図を正確に汲み取ることで、依頼者側が「業務の改善に役立つ分析結果」と評価しやすくなるからです。

5;さいごに。御社の顧客データ分析。利益につなげませんか?

御社の顧客データ分析。営業企画部門やマーケティング部門で行っていますか?
御社の顧客分析結果。実際の営業活動で利用されていますでしょうか?
そして、新しい顧客獲得という売上、利益につながっていますでしょうか?

書籍『最強のデータ分析組織』にあるとおり、データ分析は「使わせる」ことが重要となります。
当社は、BtoB企業の顧客データの分析の業務支援を行っています。
その主な目的は、売上、利益につながる顧客の傾向値を把握することです。
御社の顧客データ分析。ぜひ、当社のお客様事例を通じて、売上、利益につなげる方法を探してみませんか?