2019年08月05日
2019年6月26日(水)『インサイドセールスの実務』著者である 沼澤 拓也氏を迎え、
インサイドセールス セミナー「商談機会を3倍にするインサイドセールスの運用。そして組織の評価法とは~」を開催しました。
沼澤 拓也氏の著書『インサイドセールスの実務』(東洋経済新報社)
以下、実施報告記事となります。
株式会社ピー・ディー・アール
代表取締役 兼 一般社団法人インサイドセールスコンソーシアム代表理事
沼澤 拓也 氏
今回登壇いただいた沼澤 拓也 氏は、インサイドセールス歴19年のパイオニアです。
無闇な電話OBや訪問をしない営業手法を始めたきっかけや、2001年に沼澤氏自らが立ち上げた、インサイドセールスやデータベースマーケティングの支援を行っている株式会社ピー・ディー・アール での数多くの経験についてもお話いただきました。
インサイドセールスといっても、どのような仕組み、取組みがあるのでしょうか。
「セールスとマーケティングの融合」という観点から4つご紹介しました。
①情報管理 ~データベース化~
顧客に関する情報を逐一記録し、蓄積し、データベース化すること。そのデータベースを共有・可視化できる状態にすることがこれから紹介するインサイドセールスの第一歩です。
「担当者の判明」「案件化の可能性」など、顧客それぞれのステータスを分類する。つまり顧客との対話によって明らかになった情報を記録すること。
そして「どこで、どのようなアクションをして、どういう状態でとまっているか」
といった顧客との対応履歴を残すことが次のステップに繋がるのです。
②カスタマーリレーションシップ
相手に役立つ情報を発信し続け、何かあれば相談してもらえる関係作りを構築する。
以上が顧客と関係を醸成する目的です。
「お客さんから興味をもってもらった方がいいよね?」という考え方にシフトすると、見込み客に対するOBも変わってきます。
悪い例ですが、
電話する
→結果、ニーズ発掘できず・・・
→コール結果の履歴残す(データベース化)
→それでもまたOBしてしまう・・・
このようなサイクルを繰り返していませんでしょうか。これでは顧客との関係構築は困難でしょう。
直ぐに売れるか売れないかではなく、次に繋がるステップとして関係を構築しなければなりません。その延長線上に営業による商談が生まれるのです。
まずは顧客に対する情報収集から始め、顧客との関係構築をしていきましょう。
③データベースマーケティング
データベースにこれまで蓄積された顧客情報を活用することで、有効な営業活動を促進できます。
・適切なターゲティング
・適切なテーマ
・適切な対応
これら3つは有効な営業活動のために必要なプロセスです。
具体的には、以下のようなイメージです。
・より正確なターゲティングを行うために、
見込み顧客の「業種など企業情報」「ステータス」や「接点」を記録し、
セグメントできるようにする。
・どのようなアクションを取れば良いか判断するために
見込み客の「状況」「課題点」「興味関心」等、顧客を知る手掛かりを残しておく。
これはフォローするタイミングを見極めることも可能にします。
3つのプロセスを実行するためにも、見込み客1人1人のプロフィールや履歴を残したデータを蓄積していことが大切です。顧客のデータベースからセグメントを切り、ニーズを紐解くことが可能になり、適切な顧客管理に繋がります。
④営業連携
インサイドセールスにて見込み客の醸成から、商談まで繋げ、営業部門に引き渡すフェーズです。
重要なのは、営業が対応した結果のフィードバックを貰うことです。
どのような要因で受注/失注になったか。不足していた情報などを報告してもらうことで、次からの施策やアクションが強化されていきます。
またインサイドセールス部門も、どうすれば営業が対応しやすいか、常に考え、アクションしていくことが、スムーズな連携を図る鍵です。
上記のようなインサイドセールスの成功モデルを実現するために、ヒントとなる「コツ」を4つ紹介しました。
むやみな電話、訪問をせず、それぞれの顧客に合ったアプローチをするために、何よりもまずはデータの蓄積から始まり、それに沿って醸成した見込み客に対し適切な対応をしていく。
そして商談フェーズに移ったら営業に引継ぎ、フィードバックを受ける。
この4つのステップを着実に実行することがインサイドセールスを成功に導く上でのコツです。
沼澤氏は19年間に渡り、テレアポなど直接的な営業ではなく、本記事でこれまで記したようなインサイドセールス手法で顧客の醸成をしてきました。
顧客の問題解決にどう役立つかを伝え続け、必要になったタイミングで顧客の方から問合せや相談を受ける。売り込みしない。という取組みを続けています。
日本でもここ2,3年で隆盛を極めている「インサイドセールス」の先駆けを19年も前から行っていたわけです。
セミナー内ではその他、今後のインサイドセールスの動向や、具体的なアプローチ方もお話いただきました。そのノウハウを沼澤氏は書籍に残しています。
沼澤 拓也氏の著書『インサイドセールスの実務』(東洋経済新報社)
試し読みができます!
https://www.pdr2001.com/ebook/inside-sales/
今回登壇いただいた沼澤氏は、インサイドセールスを成功に導く顧客管理手法、またデータベースマーケティングの支援も行っています。
株式会社ピー・ディー・アール
https://www.pdr2001.com/
株式会社ランドスケイプ
営業本部 DXグループ 執行役員
湯浅 将史
インサイドセールスにおいて必要不可欠な、顧客データベース活用。そのの問題点、並びに問題を解決するためのポイントについてお話しました。
ランドスケイプでは、BtoB企業を対象にしたアンケート調査を実施しました。
『BtoB企業における「顧客情報管理・活用」に関する実態調査レポート2019』
(ダウンロードはこちら:https://usonar.co.jp/dl/5097.html)
その結果、44.3%が顧客情報の管理状況について、何かしらの問題意識を持っていると回答。
顧客情報の管理に関する具体的な問題点としては、社内で情報が分散していること(管理ツールが複数存在していること)。
また、顧客情報が最新ではないといった問題もあることが分かります。
次章より、インサイドセールスにとって如何に顧客データの管理が必要か。またその管理が如何に困難であるかについてお話します。
インサイドセールスの機能として、マーケティング部門と営業部門の間に位置することで、見込み客の育成やプレセールスといった役割を果たしますことができます。
ここで問題になるのが顧客データの管理です。
もともとマーケティング部門ではイベント管理やMA(マーケティングオートメーション)を使ってリードを管理。営業部門ではSFAなど営業支援ツールで顧客管理を行っていることが多く、この状態では、それぞれのツール、システムに顧客データ・情報が分散してしまっており、顧客データを有効活用することが困難です。
上図のように折角入ってきた、蓄積された顧客のデータも、このように分断されていたままでは活用はままなりません。
社名一つ取っても、「NTT」「エヌ・ティ・ティ」のように表記揺れが発生し、連携がとれず、顧客データはそれぞれに分散してしまいます。
顧客データの統合、一元管理が、部署を超えた連携を可能にし、効果的なインサイドセールスの実現には不可欠です。
では、データ統合はなぜ困難なのでしょうか、主な要因が上図です。
SFAやMAを導入したものの、重複や住所移転、統廃合のメンテナンスがされていないといった理由から、折角入手した顧客情報も活用できていないという声も多く聞きます。
ランドスケイプでは、顧客データの統合、一元化を実現し、SFA・MA・名刺管理ツール、そしてCTIシステム。これらに散らばる顧客データを、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールスそれぞれの分野においての活用を可能にしています。
その結果、2019年現在、インサイドセールスによる商談機会を月100件創出しています。
本セミナーでは、SFAやMAを導入しただけでは難しい顧客データの活用について、どうすれば活用できるのか。顧客データの統合、一元化による解決策を紹介しました。
顧客データを活用可能にするために必要なポイントは主に3つです。
・網羅的な法人マスタ
・マッチングと名寄せの精度
・仕組み化
詳しくはこちら
顧客データ統合のためのしくみ「uSonar」
https://usonar.co.jp/service/usonar/
沼澤拓也 氏、ランドスケイプ 湯浅 によるトークセッション、来場者からの質問にお答えしました。
インサイドセールスの立ち上げ時は「スモールスタートにする」といった自身が3人からインサイドセールスを始めたという沼澤氏の経験に基づく助言や、運用の際のKPIの設け方、営業部門との連携についてもお話しました。
ランドスケイプでは、「インサイドセールス」についての手法やノウハウをホワイトペーパーとして纏めてございます。
ご興味の方は是非ご覧下さい。
「インサイドセ-ルスの役割とコツ」
ダウンロードはこちら
https://usonar.co.jp/dl/5107.html
ランドスケイプでは、インサイドセールスについて個別の相談会も行っております。お気軽にお問合せ下さい!
「ランドスケイプお問合せフォーム」
/form/contact.html