2020年10月13日
前回コラムでは、「2025年の崖」を越えるために、製造業において求められる取り組みとして、「システム基盤」そして「データ基盤」の重要性についてお話ししました。
今回は、データ活用に必要な4つの要素についてお話しします。
(←前回コラムへ「製造業におけるDX推進 ~ 崖を越える2つの取り組み ② ~」)
1.データの壁
前回までは、DXの実現に向け、「システム基盤」「データ基盤」についてお話ししました。
■内容まとめ
・デジタル化がDXの一歩目
・「システム基盤」のためにレガシーシステムからの脱却が必要
・進化するテクノロジーに対応できるようIT環境を整えることが求められる
・システムはあくまでも器であり、器を新しくしただけではDXを実現したとはいえない
・見落としがちだけど「データ基盤」は重要
DX(デジタルトランスフォーメーション)の成功は、"データ"の変革="データ"トランスフォーメーションによって左右されていると言っても過言ではありません。
"データ"トランスフォーメーションは、それほどDX実現の重要なカギとなります。
「顧客データ管理」という視点でみてみましょう。
2.データトランスフォーメーション
ランドスケイプでは、顧客データの管理、活用に関わっている約500名の方を対象にインターネット上でアンケート調査を行いました。
その結果、約4割が顧客データの管理について問題を抱えていることが明らかになりました。
顧客データの管理という取り組みにおいては、SFAなどのCRM、名刺管理アプリといったシステムの普及が目覚ましい中、こうしたシステムを導入していても、データ管理に問題が生じていることが分かります。
折角導入したシステムであっても、活用に問題があればDXの足枷となってしまいます。
(出典:ランドスケイプ「BtoB企業における 顧客情報管理・活用」に関する実態調査レポート 2019」)
DXに向け、データをフルに活用するには、どのような取り組みが必要となるのでしょうか?
ランドスケイプでは「NICE」と呼んでいる、データにとって非常に大切な4つの要素があります。
格納されている顧客データの精度・粒度の「Normalize(標準化)」。そして各システムにバラバラに格納されているデータの「Integrate(一元化)」。集めたデータに抜け漏れがあれば「Correct(補正)」する。そして顧客の傾向を掴んだりマーケティングに使えるよう「Enhance(属性付与)」を行いデータをリッチ化する。
システム化、デジタル化によって取得できたデータに対し、こういった整備・加工を施し、あらゆるデータを繋ぎ合わせることで、これまでにないインサイトを得ることが着実にDXに繋がります。
3.行きつく先はデータ
DXの実現には、データトランスフォーメーションが不可欠であるという点について、「顧客データ管理」という視点でお話ししました。
なぜDXが必要なのか振り返ると、
「新しい価値を創造するため。そして市場競争力を強固にする。これからの企業、ビジネスの未来を切り開いていくため」ということでした。
DXに向けたシステム改善も、DXよる価値創造も、結局は「データ」が重要であるということに行きつきます。
次回、自動認識ソリューションで国内シェアナンバーワンを誇る、製販一体の株式会社サトー様によるデータ活用への取り組みについてお話しします。
顧客データ管理に関するアンケート調査については、こちらからダウンロードいただけます。
「BtoB企業における 顧客情報管理・活用」に関する実態調査レポート 2019」
「製造業におけるDX推進」シリーズ
第1回「製造業におけるDX推進 ~「2025年の崖」を乗り越える ~」
第2回「製造業におけるDX推進 ~ 崖を越える2つの取り組み ① ~」
第3回「製造業におけるDX推進 ~ 崖を越える2つの取り組み ② ~」
第4回「製造業におけるDX推進 ~ データ活用に必要な4つの要素 ~」
第5回「製造業におけるDX推進 ~ データ活用への取り組み事例 ~」