BLOG BLOG 金融機関様限定 「事業承継対策セミナー」 【中小企業に対する事業承継支援の仕掛けづくりとは?--講演ダイジェスト】

2017年06月15日


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中小企業・小規模事業者は雇用の担い手、多様な技術・技能の担い手として我が国の経済・社会において
重要な役割を果たしていますが、少子高齢化により事業そのものの承継が困難になりつつあります。
将来にわたり、事業活力を維持するためには、円滑な事業承継によって
事業価値をしっかりと次世代に引き継ぎ、事業活動の活性化を実現することが不可欠です。

一方、金融機関経営を持続する上でも、
取引する事業会社との関係を如何にして維持、持続できるか真剣に考え、
中長期的な視点で支援する事業モデルを確立することが求められています。

そこで事業承継というキーワードから、金融機関として取り組むべき新たな事業モデルの道標を探るべく、
東京都事業引継ぎ支援センター「木内雅雄プロジェクトマネージャー」と、
株式会社HFMコンサルティング「本田伸孝代表」を講師にお招きし、
「事業性評価機能」との関係も加味した「事業承継対策の方法論」について解説していただきました。

木内プロジェクトマネージャーの講演概要は以下の通りです。

事業承継対策セミナー Coach.jpg

1.中小企業における事業承継問題の概要

中小企業経営者の高齢化が進み、多くの経営者の年齢が平均引退年齢に近づいており、
今後10年で中小企業の約半数が世代交代を迎えることになると考えられています。
経営者の年齢が60歳以上の中小企業においても約半数の企業が後継者不在という調査もあります。
社長が80歳以上の会社でも3分の1が後継者不在の状況にあります。

後継者問題の選択肢は「廃業する」か「事業を引継ぐ」かになりますが、承継の場合は、誰に引継ぐかが課題となります。
35年~40年前は、9割以上が親族へ引継がれていたのですが、
直近5年では、親族承継は4割以下に低下しており、親族外承継、第三者への譲渡が多くなっているのが実情です。

後継者問題に対応する選択肢

2.東京都事業引継ぎ支援センターの活動内容

当センターは「産業競争力強化法」に基づき、
東京商工会議所が国から委託を受けて実施している事業体です。
会社にとって最も良いと思われる事業承継の方策を
利害関係の無い第三者の専門家が経験に基づいてアドバイス=選択肢を提示しますが、
公的機関ですので自己のビジネス分野への誘導、
また決断を急かしたり、強く促したりするようなことはしません。

事業承継問題の悩みを抱える中小企業経営者からの相談、とりわけ後継者が決まらず
「第三者への会社(事業)の譲渡」についての相談を受けており、
ケースによっては実際のM&Aの実行支援までを行うことで、
円滑な事業のバトンタッチの支援を行っていますが、
経営者ご本人から直接相談を受けることを原則としています。

近年、相談件数も増加してきていますが、
相談企業の規模は、年商1億円までで4割、3億円までで7割を占めています。
相談内容は第三者承継=M&Aが主体となりますが、従業員承継や親族承継の相談もあります。
一方、譲受相談企業の85%は譲渡企業の紹介を希望され、 年商では5億円以上の企業が6割弱を占めており、
建設業やIT関連企業のニーズが多くなっています。また、近年、創業を検討している個人の方の、
小規模の企業を譲り受けたいというニーズも多くなっています。 中小・小規模の企業がM&Aを行なう際、
支援をする専門家の経験度合いよっては間違った手順を踏んで取り返しがつかない状況に陥ったり、
トラブルに巻き込まれてしまうことも起こりえます。
当センターは、M&Aの経験が豊富な専門家が、民間のM&A専門機関等では取り組めないような
小規模な案件の相談に対応していますのでM&Aを実行する際の
セカンドオピニオンとしても活用頂ければと考えています。

金融機関様からも取引先で相談にのってもらいたい先があるというケースも出てきておりますので、
後継者が不在で困っている企業がある場合、積極的にご利用いただければと思っています。

東京都センターの相談対応実績

本田代表の講演概要は以下のとおりです。

HFMコンサルティング 本多伸孝代表 ny.jpg

1.地域金融機関の「金融仲介機能のベンチマーク」への取組

昨年、金融庁から示された「金融仲介機能のベンチマーク」への対応に関しては、
公表の仕方には違いがありますが、大半の金融機関が実績を開示しています。
ただ、共通・選択ベンチマークに対する取組件数等結果のみの公表が主で、
独自のベンチマーク指標や具体的な取り組み事例の説明に関しては公表件数も少なく、
今年度は、より具体的な取り組みの公表が求められるのではないでしょうか。

また、中長期計画を公表している機関も多いのですが
「事業承継対策」を政策課題として取り上げている金融機関は50数行もあります。
例えば、事業性評価機能による本業支援の一環として、事業承継対策を独自ベンチマークとして選定し、
地域経済の活性化支援強化として取り組むことも考えられるのではないでしょうか。

2.事業承継問題の本質を考えてみる

高齢化社会を迎え、中小企業にとって「事業承継対策」は避けて通れない課題となっており、
廃業を選択する企業も多く「隠れ倒産」との指摘もあることから、
中小企業施策として国も積極的な支援策を打ち出しています。
事業承継診断に関しては全国で取組目標値まで設定されています。

事業承継問題の本質を改めて考えてみると、個別企業の問題もしかりですが、
地域経済にとっても深刻な課題となっているはずです。
事業承継者が見つからず廃業を選択肢と考える経営者にとって、
今後、事業を活性化することは想定外であり静観する傾向が強まり、
結果として地域経済全体が低迷する要因にもなっています。

地元企業を活性化させるには、承継問題を抱える企業を見つけ出し、
具体的な対応策を能動的に指導することが重要となるはずですが、
これは、事業性評価の本質そのものであり、地方創世を実現する上では重要なファクターとなります。

事業承継問題 本質

3.事業承継手法と事業性評価の捉え方

事業承継対策を考える場合、最も重要な要素は「経営者の意識」に他なりません。
経営者として、事業を今後どうしたいのか、その点を見極めることが重要となるのですが、
営業現場の若い担当者が経営者と面談し、直接的に「事業承継対策を考えましょう」と訴えても、
聞いてもらえる可能性は薄いはずです。
ここは、問題を聞き出すテクニックにもなりますが
「5年後の会社の姿を考えませんか、計画の立案、課題への解決策の立案をお手伝いします」
ということから、承継問題を聞き出すことがポイントになるのではないでしょうか。

事業性評価とは過去の結果を評価すものではなく、今後(3年後、5年後)どうなるかを見極めることであり、
その過程で発生する要因は何かを把握し、金融機関として何をすべきか考える、

つまり、事業活動そのものに対する支援=本業支援を如何に行うか、ということを考えることですが、
事業承継手法を考える上でも、対象とする会社が今後どのようになるのか、成長するのか停滞するのか、
更には、悪化するのかによって、選択するべき手法は異なります。成長拡大する可能性があるのであれば、
IPO=株式公開という手法を考えることも可能です。

承継方法によってもメリット、デメリットがあり、且つ、具体的な対応策もありますが、
事業承継対策とは、事業会社の実情を正しく評価する=事業性評価に基づく支援策を策定することに他ならないのではないでしょうか。

事業承継対策 手法

4.事業承継対象先の発掘方法

事業性評価による融資運営対象先として選定する場合、
基本的には融資取引がある先を対象先に選定するケースが大半と思われますが、
地域全体の活性化という観点から考えるならば、融資取引の無い預金先、保証協会融資のみ小口融資先、
全く取引の無い先等も対象先として選定し、支援の手を差し伸べる必要があるはずです。

業況が低迷している中堅企業等には地域経済活性化支援機構(REVIC)等の支援策が体系化されていますが、
中小・小規模な事業会社への支援方法は確立されていないのが現状です。

金融機関として金融仲介機能を発揮する上でも、主体的に取り組むべきではないでしょか。
例えば、ランドスケープ社が提供する事業会社データベース(LBC)と富裕層データベースを活用し、
特定営業エリアに存在する業歴が50年を超えている社長が富裕層属性に合致しているオーナ企業を選定、
既に、各金融機関が利用している情報と組み合わせることで、

事業承継対策と相続対策が必要な先を見つけ出すことも可能となります。
また、単独企業一社のみの対策を考えても選択肢には限界もありますので、
複数の事業会社を纏めて対策を検討することも考えられます。

6次産業化を支援すると政策テーマに選定している金融機関も多いのですが、
市街化区域で生産緑地として農業を営まれている事業主は、高齢化も進んでおり後継者問題を抱えています。
農地にアパートを建てる対策だけではなく、6次産業化を視野に入れた事業連携モデルを組成し、
当該事業体の中で事業承継対策を講ずることも考えられるのではないでしょうか。

オーナー富裕層企業

最後に...(まとめ)

地方創生というキーワードは、若干下火にはなっていますが、
地域金融機関には地域経済を活性化するための
金融仲介機能の提供元として期待されているのには変わりありません。

そのためには、地域産業を如何にして活性化させるか、
誰が主体となり活動しているのかという点から考える必要があります。
事業会社の大半を占める中小・小規模企業の事業再興と活性化を実現するには
「事業承継対策」として確立することが必要でもあり、
同時に、新規事業の創造と需要の掘り起こしを図るべく「新規事業対策」を考える必要もあります。

活動する営業エリアの実情がどのようになっているのか、
営業エリア内での事業活動の実情はどうなっているのか、
情報を効果的に活用することで、地域で求められる具体的な活動プランを作ること、
それが、金融機関の新たな事業モデルとして望まれるのではないでしょうか。

※当日、木内プロジェクトマネージャー、本田代表がご講演で使用されましたスライド資料に関して、ご希望の方にはご提供致しますので、下記までご連絡くださいますよう、宜しくお願い申し上げます。



 株式会社ランドスケイプ セミナー事務局 担当:戸崎
 TEL:03-5358-8900
 E-mail:seminar@landscape.co.jp

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