BLOG BLOG パリ、東京 富裕層の風景

2014年10月07日

スタッフ本部の栗原(元セブンヒルズ編集長)です。

バカンスの明けた9月のパリ。
1週間ほど過ごしてきたさるお方に聞いたのは、パリにはやはり本当のお金持ちが大勢いるし、ハイエンドマーケットは景気に関係なく健在なり、ということでした。

曰く、今回2軒の三ツ星レストランを予約して訪れたが、いずれも満員御礼だった。しかも決して安くないのは、そこが三ツ星であるので、言うまでもない。
両レストランともに料理とワインでだいたい600ユーロほどというから、日本円にして7,8万円である。

いっぽう東京だとベージュ東京やジョエル・ロブションの店に行っても、よっぽどワインに贅沢しない限りだいたいその半分で済むのではないだろうか。

1人7、8万を払って食事をする人がレストラン一杯分もいるとは、すごいことだ。しかし言い方を変えるとそのゾーンのお客さんしか、もともと相手にしていないのだ。お客さんの方も7,8万のお金を払って、やっと満足できる食事に出会えるという人たちなのである。

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Taillevent: Salle Trianon

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それで思い出しただのが、これは東京のあるメンズブティックの経営者の方から聞いたことだが、そこを訪れたある外国人のお客さんから、東京には自分の泊まりたいホテルがない、とぼやかれたというものだった。
その方が言うには、どのホテルももちろん高級なスイートやプレジデンシャルスイートはあるが、一方で普通の人でも泊まれるエコノミーな部屋も用意している。つまりレンジが広い。

徹底していないというのである。

その方は、自分は一泊15万くらいで宴会場などなく、子供が走りまわることもなく、静かに過ごせればそれで十分なのにと言う。そこでミスマッチが起こっていたのだった。

海外からのお客さんを含めて、パリにも東京にも富裕層はいる。しかしどうも風景が違うのは、東京は超高級サービスを売る店でも廉価版を用意したりして敷居の低い部分を仕込むが、パリは完全にそういうお客さんを突き放し、富裕層に完全特化している。
これはブランド商品も同じで、パリなら普通の女の子は絶対持たないような高級ブランドのバッグを、東京だと飲食店でアルバイトをしながら60回払いで支払ってでも買う人がいる。

だから東京はプチ富裕層マーケットのレンジがとても広く、超富裕層マーケットは皆無に近い。

超富裕層は確実にいるにも関わらず、である。

おかげで高級ブランド品が幅広く売れるので、それはそれでいいことかもしれないが、、
これから2020年のオリンピックに向けて、東京はインターナショナルな対応を迫られ、富裕層マーケットも長い鎖国の時を終え、いよいよ第二次文明開化を遂げるだろう。

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Photograph by t-mizo

現在、ランドスケイプにて、ほぼ東京に特化した新たな富裕層マーケティングのプラットフォームを構築中。
ぜひご期待ください。


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