BLOG BLOG 東京オペラシティ

2010年07月30日

弊社オフィスは、タイトルにある東京オペラシティというビルにありますが、東京オペラシティってどの程度、知られているのでしょうか?

国立のオペラハウスである"新国立劇場"のあるビル。という飛び道具があるわりは、あまり知られておらず、それ以外に何があるの? というと、ほとんど、ご存じない方が多いのではないでしょうか。

東京オペラシティは、1999年竣工。新国立劇場、アートギャラリーなどの文化施設、高層オフィスビル、ショッピング街からなる「劇場都市」なのだそうです。中で仕事をしていると「劇場都市」の恩恵を感じることはほとんどありませんが、このビル、調べていくと成り立ちも運営も結構おもしろいのです。

まず、このビルの建築主は、以下の通りです。(名称は建設当時)
日本生命保険(相)、NTT都市開発(株)、(株)小田急百貨店、京王電鉄(株)、第一生命保険(相)、昭和シェル石油(株)、寺田小太郎、山大鉄商(株)、相互物産(株)、(特)日本芸術文化振興会

寺田小太郎氏は、個人として出資されていますが、今は美術コレクターとしても有名で、アートギャラリーの上層階に4000点ほどあるという「寺田コレクション」の絵画を入れ替え展示されていたり、出身地の名称をとった「近江楽堂」という小さな美しいコンサートホールをビル内に所有し運営されていたりと、オペラシティの特色を演出されているようです。いろいろな事業を成功させた方だそうですが、なかなかすてきな資産の使い方ではないでしょうか。

さて、ビジネス、アート、商業の3つの側面をもつ、オペラシティですが、ビジネス棟の企業を有名どころで言うと、アップルジャパン(株)、プロクターアンドギャンブルジャパン(株)、味の素ゼネラルフーヅ(株)、エイボン・プロダクツ(株)といったところでしょうか。(アップルさんは、このビルのテナント第一号です。弊社も入居は同時期だそう) NTT東日本(株)の本社が近接していることもあって、NTT系の企業も多数。あと特徴的なのは、著作権の管理団体や文化財・芸術関連の団体が多く含まれていることでしょうか。

さて、アート系の主要な施設を列挙すると

◆新国立劇場・・・オペラ・バレエ・現代舞踏用。低層の建物なので、オペラシティビジネス棟に空中権を販売しています
(千代田区にある"国立劇場"は歌舞伎、日本舞踊、邦楽等。"新"があるのに"旧"が無くならないのはナゼ?と不思議に思っていたのは私です) 

◆コンサートホール・・・ステージに大型のパイプオルガン。内装は壁も天井も床面も椅子もすべて天然木で仕上げられている1600席ほどのホール。シューズボックスと言われる形状で最大天井高は30mくらいありそうです。天然木は美しいだけでなく、椅子に座ると心地よい香りがして、演奏後の拍手が心地よく響くのに驚きます。

◆近江楽堂・・・前出。バロックやアカペラ、詩の朗読などで使われるようです。

◆アートギャラリー・・前出。下層階は、現代アートとデザインの企画展を年数回実施。適度に尖った展示で楽しませてくれます。数年前には、"疾走するデザイン"と題して自動車競技用のF1車両を並べたこともありました。7/28-10/3はアントワープ王立美術館コレクション展を開催。独自の発展をとげているベルギーの芸術を見せるようです。(アントワープといえば、『フランダースの犬』で有名ですがネロ少年の見たかった絵は来ないようです。あれは大聖堂に展示してあるのだそうでさすがに無理)

◆ICC・・・Inter Communication Center、NTT東日本さんの運営。 アジアのメディアアートの中核。という紹介もあります。メディアアートというのは、パソコンとか映像機器を使って表現するデザインのよう。見て面白いのですが、将来に残る価値があるのかどうか私にはわかりません。

◆ガレリア・・新国立劇場とオペラシティタワーの間にある採光ガラスのある高い屋根付きの通路。200mほどの長さがあり、花崗岩で組まれた壁面と階段で構成されています。床面にデジタル数字の光るアート作品が組み込まれていたり、どこからともなく音が聞こえてくる仕組みになっていたり、石組みもところどころ色や形が違えてあったりして、散策すると楽しめます。

他にも、各所に彫刻やモニュメント類があります。設置当時は、若手だった人の作品が多いそうですが、なんとなしにユーモラスなもので構成されている感じです。このビル、バブル崩壊後だいぶ経っての竣工ですが、もしバブルの絶頂期にオープンしていたら、どんな仕上がりになっていたかと思うとちょっとコワイ気がします。そういうビル、都内にいくつかありますよね。なおモニュメント類の設置場所や作者などは、ビルの受付に行くと説明のチラシがおいてあります。

さて、たくさんの文化施設があっても、見るのにお金が沢山かかっては、ちょっと立ち寄る気にはなりません。オペラの各施設は、新国立劇場とアートギャラリー以外は、ランチタイムにコンサートなどの催しのある日があり、その時は無料で見ることができます。7~8月はアーツシャワー2010と題してこのようなイベントが多数、組まれています。

ここ2年ほど、セミナー等を弊社のオフィスで開催させていただいており、多くのお客様にご来社いただいています。セミナーの前後などちょっと時間がありましたら、オペラシティの中を見て頂けたら、楽しんでいただけるかもしれません。

                                                          (記:古沢)  

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(写真)NTT東日本本社近くから撮影した東京オペラシティ。高架の道路に隠れている低層部分がアートギャラリー。オペラシティタワーは、新宿区西新宿、写真で言うと奥になる新国立劇場の住所は、渋谷区本町。ガレリアが区の境界線になっています。

*2010/08/01は東京オペラシティ全館休館日です。