BLOG BLOG 『ニュース予定 2011』と「未来年表」

2011年01月07日

2011年が始まりました。本年もよろしくお願いいたします。

さて、明日のニュースを、今日、知ることが出来たらいいのに! 来年やその先の予定を正確に捉えられたら良いのに!というのは、ビジネスでもそうでなくても、よく思われることではないでしょうか?

タイムマシンでもないと、それは無理なのですが、今日は、それに近い(かもしれない)情報源をふたつ紹介してみます。

ひとつめは、共同通信社編集局 予定センター編 『共同通信 ニュース予定 2011』というのがそれで、11月下旬頃に翌年分が発売されます。

内容は、《国内外の年間スケジュールを1日1ページで収録》するもので、2011年の1月1日から12月31日まで、政治・法律・経済に関するさまざまな予定、スポーツ、芸術などのイベントや各地で行われる祭事などが、まとめられています。(開始日が明確でないものについては、月の上/中/下、月間単位や春夏秋冬単位で記載。2012年以降の予定は10ページほどを使って2100年まで記載されています)

2011年のニュース予定はどうなっているでしょうか? 話題を集めそうなもの。生活に影響しそうなものを少し拾ってみました。

2月 「ねんきんネット(仮)」導入
 →年金記録がネットで見られるそうです。
2月 上野公園のジャイアントパンダ来日(公開は3月の下旬予定のようです)
3月 九州新幹線 鹿児島ルート全線開業や北関東自動車道の全線開通
 →これらに伴い駅ビルの改築や観光イベントなども多く予定されています。
3月、4月 第17回統一地方選
 →東京を含む13の知事、93の市長、多くの市議選が予定されています。
4月 「太陽光サーチャージ」開始
 →電力会社が住宅太陽光発電の余剰分を買い取る費用を全世帯に請求する仕組みです。

7月 テレビ放送デジタル化(アナログ放送停波)
10月 2010年国勢調査、人口と世帯数の確定値発表
12月 東京スカイツリー竣工

今年は、昨年のようにワールドカップや冬期オリンピック、万博等がなく、また、薄型TVやエコカー等の需要を大きく喚起したエコ系の補助金や減税も削減あるいは廃止されていくなど、若干、"ウラ年"の気配もするところですが、事業会社としては、他力での需要喚起が期待されない年の方が、自社の能力が発揮できる良い年だ。ということにしておきましょう。家電や自動車の製造・販売の業界等、昨年、国の政策で潤った企業は、今年はその利潤を倍加して日本経済に貢献してくれることと信じております。(TVのエコポイント額もクルマのソレも、目を疑うような金額だったと思います。って何も買わなかった人間のヒガミではありますが)

この『ニュース予定 2011』の良い点は、前年の10月の時点で確定している予定の内容を、通信社としてまとめ公表する。という形態のため、毎年定例で行われるイベント・祭事や官公庁や各企業が先の日を定めて公表している情報については正確に網羅されているという点ですが、逆に、不確かな情報や月日の決定が遅いイベント等は、記載されなくなる。という欠点があります。これを補うため、購読者には、毎月25日に翌月の予定情報がネットで見られる。というサービスを提供しています。

さて、もうひとつ。博報堂生活総合研究所がWEBで公開している「未来年表」をご存じでしょうか?

http://seikatsusoken.jp/futuretimeline/


これは、各マスコミが掲載する《未来予測関連の記事やレポートから「○○年に、○○になる」といった情報のみを厳選し、西暦年や分野ごとに整理した未来予測のデータベースです》というものでデータ上の収録は2110年まで。一つの情報は長くても100文字程度に集約され、データとして扱いやすくなっており毎月10日にアップデートされています。収録の情報件数は、15000件ほどですが日本と世界の情報が収集されています。(別途、出典なども表示されます)

これを西暦やフリーワードでの検索はもちろん、医療/宇宙/カレンダー/環境/技術/経済/交通/資源/社会/情報/人口/通信など16分野での表示、また、索引語として、以下のざっと150種ほどが用意されています。

ICカード/アスベスト/医療改革/医療技術/宇宙開発/宇宙ビジネス/映画・アニメ/エイズ治療/エネルギー需要/演芸・演劇/欧州連合(EU)/音楽/ナノテク/南極・北極/日本の人口/ネットワーク/燃料電池/脳機能/農業/ラジオ放送/林業/労働・雇用/ロボット/ワイン/惑星探査/海運・船舶/介護/海洋資源・海洋探査/核兵器廃絶/核融合エネルギー/仮想世界/環境保護/観光/学術研究/がん治療/企業活動/喫煙/教育/金融/行政改革/漁業資源/空港/暮らし/経済政策/経済成長/携帯電話/原子力発電/公害/公共事業/航空会社/航空機/高血圧/広告/高等教育/鉱物資源/高齢化/港湾/国際会議/国際協力/国連改革/個人情報/国境/コンテンツ/娯楽施設/再開発/再生可能エネルギー/産業技術/財政/資源の枯渇/自然保護/司法制度/社会資本/社会保障/省エネ/少子化/食品/所得格差/新聞・図書/自殺/自転車/自動車/住宅/循環型社会/自由・平和/自由貿易/情報機器・ソフト/女性/人口移動/人口減少/人口増加/水産・漁業/スポーツ/生活習慣病・慢性病/政治/生態系/製薬/世界の人口/石炭/石油/戦後/税金/水資源・利水・治水/民族・宗教/モバイル/団塊の世代/治安・犯罪/地球温暖化/地球環境/知的財産/地方自治/超伝導・超電導/月探査/デジタル家電/鉄鋼/鉄道/テレビ放送/展示場/天体ショー・天体観測/天然ガス/デパート・スーパー/電子カルテ/電子タグ/電子マネー/伝染病・感染症/電力/電話/都市計画/道路/廃棄物/ハイジャック/バイオテクノロジー/バイオマス/万博・博覧会/被爆者/貧困/美術・アート/福祉/富裕層/文化遺産/文芸・文学/平均寿命・健康寿命/ホテル/防衛・有事/防災/薬剤師/有害化学物

この「未来年表」のすぐれているところは、前述したようにデータベースとして公開されているので、さまざまな切り口で、未来について述べられた情報を抽出することができるところです。ある単語で、2011年から、2110年までの情報をずらりと並べたり、フリーワード検索で複数語を組み合わせ抽出したりと、わずか15000件のデータといえど、新たな発見に出くわすことも多くあり、データベースの面白さを満喫できます。

反面、過去、発表された未来予測や予定がその後、変更されていたり、中止されていたりした場合、過去と相反する情報が報道され、このデータベースに収録されていれば良いのですが、そのようなプロセスにならない情報も当然多く残っていくはずなので、そのあたりの正確度を考慮するリテラシーや、もしここにある情報をなんらかの意思決定に用いるのなら、真偽を別情報から判定するための工数が必要です。この「未来年表」データベースは、どちらかというと、意思決定用でなく、未来の雰囲気を感じたり、過去や現在のしがらみや常識に囚われない発想をするためのデータベースとして用いる。という目的が正しいような気がします。

さて、未来年表や未来予測には、どういう意味があるのでしょうか? 法規制や制度の変更などによる特定の産業への影響のように直近に起こる確かな出来事については、そのそれぞれにチャンスやリスクが含まれていることは容易に想像できるのですが、直近のものでない場合、個別な業界や個別な商品について"いつ"、"なにが"、"どうなる"というレベルでの予測などは、なかなか的中しない。ということが通例です。が、日本や世界で大きな流れで進行している変化(人口の増減や環境、資源、経済の盛衰、技術の進歩)などは、時を経る毎に着実に進み、いつか、それが表面に出て大きな問題、あるいは大きなチャンスとして我々の前に現れてくるもので、その時に慌てふためくのではなく、表面化してくる可能性のあるリスクやチャンスに合わせ、いくつかの対応が出来るよう人材や技術やその他のリソースを蓄積しておくということが、全ての構成メンバーが繁栄を謳歌することが難しくなっている昨今、国家にしても企業にしても、あるいはその中で生活をする個人にとっても大事なことになってきているようです。

                                                               (記:古沢)


追記1:野村総合研究所さんも未来年表(2011-2050年)を公開されています。こちらはA3版1枚で印刷できるようまとめられていて便利です。
http://www.nri.co.jp/publicity/2010/nenpyou.html

追記2:さきほど気がつきましたがWikipediaの2011年もイケてますね。4月からの新学習指導要領により小学校での英語教育義務化とか,他にない情報がコンパクトにまとめられていたり、1月の初旬はすでに"できごと(事実)"として項目が立てられていたりします。"フィクションの出来事"の欄には、"4月4日 - のび太がドラえもんに無断で未来デパートに注文した「ミニドラ」が、のび太の悪筆のせいで2011年の野比家に届けられる"などという記事までありました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/2011%E5%B9%B4

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写真)文京区本郷3丁目近辺、春日通りからのスカイツリー。写真奥の交差点を左折して数百メーター進むと東大の赤門があるような場所からのながめです。撮影日は2011/1/4。

*参考 
一般社団法人共同通信社編集局予定センター編『共同通信ニュース予定2011』(2010,共同通信社)

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