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第三のロジック「アブダクション」がマーケティングを変革する|企業データ活用したVUCA時代の戦略を解説

日本一のデータベースで
質の高い仮説を立てる

B2Bマーケティングにおけるターゲットアカウントへのアプローチには様々な方法があり、状況に応じて効果は異なります。
本記事では様々なアプローチ手法を「帰納的」「演繹的」に体系化した上で、そのいずれの分類にも属さない新たな考え方としての「アブダクションマーケティング」について解説します。

記事の最後には、弊社「ユーソナー」が独自構築した日本最大級の企業データベースを活用したアブダクション推論についても解説しています。ぜひ最後までご覧ください。

目次


B2Bマーケティングにおける「帰納的アプローチ」

一般的に「帰納的」とは特定の事象を踏まえて一般的な結論に導くことを指します。

B2Bマーケティングにおいて帰納的な思考でアカウント戦略を立案することは、新たな顧客セグメントや需要が浮かび上がった場合に高い柔軟性を持つと言われています。新たなデータや情報を評価して即座に戦略を適応させることに長けています。

事例やデータからパターンや傾向を見出す具体的としては、既存顧客のユースケースをもとに共通のニーズや顧客特性を導出するといったアプローチが該当します。
セールス側とマーケ側が保持している情報を統合し、ロイヤリティやLTVの高い顧客の成功事例を分析することでターゲットに共通するインサイトを導出し、リード評価に活用するといったことは、多くのB2B企業で実践されているアプローチです。

事実を並べて次にアプローチすべき企業を帰納的に抽出することは、従来の顧客に求められていたソリューションをパターン化して提示するだけでなく、新しい提供価値を発見することにも活用されています。

B2Bマーケティングにおける「演繹的アプローチ」

一般的に「演繹的」とは一般的な原則から特定の状況に適用させることを指します。

B2Bマーケティングにおいて演繹的な思考でアカウント戦略を立案することで、既知の原則や情報を起点とするため、自社のリソースをより効率的に活用しながら、確実性が高く環境や条件に依存しない普遍的な価値の訴求が可能となります。

一般的な情報から特定のケースに適用する具体例としては、特定の産業における一般的な市場トレンドを分析することです。
業界動向レポートや経済情報を元に狙うべき事業や企業を特定することは、大規模な販促活動や新たなサービスのGoToMarket戦略を立案する際に有効であると言われています。

既知となっている公開情報から演繹的に特定の顧客セグメントを見つけ出すことは、これから顧客になりうる業界に関するナレッジベースがなくても実践できるアプローチであり、顧客基盤を拡大することに活用されています。

VUCA時代において重要となる第三のロジック「アブダクション」

「アブダクション」とは哲学や論理学に起源を持つ推論の形態であり、「不完全な情報から最も妥当と思われる仮説を立てる推論プロセス」を指す言葉として19世紀のアメリカで提唱され始めました。

不確かさや不完全な情報が存在する状況で、最も有力な仮説や説明を導くために用いられており、一般的には科学の仮説形成や診断医学、人工知能(AI)の分野で使用されています。
特にAIや機械学習の分野においては、パターン認識や意思決定支援などの領域で有用性が評価されています。

アブダクションはVUCA(不確実性、不安定性、複雑性、曖昧性)の高いビジネス環境において特に価値を提供する考え方だと言われています。
具体的には、以下のようなプロセスを経るとされています。

  1. 測定
  2. 特定の事象や情報が測定されます。
    この情報は多くの場合、不完全で曖昧な情報であることが多いです。

  3. 仮説の生成
  4. 測定された情報に基づいて、事象の背後にある事実や適用可能性のある傾向・パターンが仮説として生成されます。

  5. 評価
  6. 特定の基準に従って、生成された仮説を評価します。
    評価基準には、仮説の単純さ、既知の情報との整合性、事象の説明可能度などが挙げられます。

  7. 最適な仮説の選択
  8. 最も妥当と思われる仮説が採択され、それが最終的な結論として活用されます。

アブダクションは複雑で曖昧な状況で新たなアイデアや戦略を導き出す手法であり、VUCA時代におけるセールス戦略やマーケティング戦略の立案において、適切な方向性を柔軟に示しつつ、競争優位性を築くための強力なメソッドとなります。

データを活用した「アブダクションマーケティング」とは

「アブダクション」は、収集した情報をもとに最も有効と思われる意思決定を行うまでのプロセスにおいて、一般化されていない傾向やパターンを検出するために活用されています。B2Bマーケティングにおいても以下のような活用が期待できます。

アブダクションマーケティングの具体例

  1. リードスコアリング
  2. 新たなリード情報(潜在顧客)を収集した際に、不完全で、一部の連絡先情報しか提供されていない場合があります。
    提供された情報から業界、地域、職種などの情報を特定し、興味関心や競合との接触状況を付加することで、そのリードの関心度をスコアリングすることができます。

  3. 市場規模の算出・可視化されなかったニーズの特定
  4. 新たな市場に進出しようとしているサービスがあるとします。市場に関する動向やトレンドといったデータが不足している場合、類似・関連する市場に関する既知の情報を得ることで、獲得した情報に基づいた分析結果から新しい市場のTAMを推測し、適切なアプローチ方法を立案することができます。
    また、顧客の行動や興味関心に関するセグメントデータを自社外から取得して分析要素として追加することで、従来のデータを用いた分析だけでは発見できなかった潜在的な顧客ニーズや市場の傾向を発見することも可能です。

  5. 競合分析
  6. 競合他社の完全な情報を入手できない状況下で自社の優位性を模索したい場合は、ウェブサイトの記事やソーシャルメディアでの活動内容を収集・分析することで、製品やサービスの提案時に用いているメッセージやマーケティング戦略を予測できます。
    また、インテントデータを用いて競合と接触している顧客企業をリストアップすることで、競合が注力している業界やセールス戦略の全体像を推察することも可能です。

  7. カスタマージャーニー
  8. 顧客企業の背景やニーズを理解するためには膨大な情報を得る必要があります。ダークファネルの影響もあり、多くのB2B企業は顧客行動の全てを収集することは難しいとされています。
    そこで、過去に取得できた優良顧客の行動データやフィードバックから、他の顧客の行動に類似性がないかを予測することができます。 より効果的なカスタマージャーニーを仮説立てて、次に打つべき施策を立案し、よりパーソナライズされたマーケティングアプローチを構築することができます。

アブダクションマーケティングにより、不確実性の高いデータが多い状況において有用な洞察を導出し、不安定性を機会に変え、複雑な課題に独創的な解決策を見つけ出し、曖昧さを明確な戦略へと転換できます。

ただし、アブダクションは仮説に基づく推論であるため、正確性は限られます。そのため、企業情報データベースが保持しているデータと組み合わせて使用することで、より高い精度での推察が可能となります。

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おわりに

本記事でご紹介したアプローチはいずれも有用です。

帰納的なアプローチは、新たな顧客セグメントを探索し、市場の変化に柔軟に対応することができます。
演繹的なアプローチは、確立された原則や戦略を元にした効率的なアプローチを実現することができます。
両方のアプローチを状況に応じて使い分け、時には組み合わせることで、戦略的な意思決定を行うことが重要です。

「ユーソナー」によるデータ統合の実現

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弊社が提供する顧客データ統合ソリューション「ユーソナー」では、企業が保持している事実データを提供しております。
セールスとマーケティングの組織を横断したデータ統合を実現することによる帰納的なアプローチと、業界動向を元にした演繹法的なアプローチをひとつのプラットフォーム上で実行することが可能です。
加えて、顧客が使用しているツールやweb上での行動傾向などのデータを提供しており、これまで全く想定していなかった顧客に関する特徴を可視化することができます。
上記のようなデータを統合的に機械学習に用いることで、アブダクションマーケティングをプランニングする機能も提供しており、自社とのマッチ度や優先度を付与し、次のベストなアプローチ方法を洞察することが可能です。

詳細についてはぜひこちらのページから、お気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

uSonar

ユーソナー編集部

MXグループ・編集長

ユーソナー編集部です。
主にBtoB事業を営む企業様に向け、これからの業務のあり方を考える上で有用なデータ活用やデジタル技術に関する情報を発信しています。

ユーソナーは業種・業界問わず
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