BLOG BLOG メルセデス・ベンツからマーケティング事例を学ぶ。 ~最高の顧客体験の届け方とは?~

2018年12月12日

BtoC及びBtoB企業ともに、クライアント/顧客と長期的な取引関係を構築することは、経営を安定化させる要素のひとつです。なぜならば、長期的な取引関係は、経営に安定したキャッシュフローをもたらすからです。当社/ランドスケイプは、BtoB企業です。クライアントから信頼してもらう、そして長期的な関係に発展することを目的に、マーケティングのPDCAを続けています。

マーケティングのPDCAを進めるうえで、他社の取り組みを知ることは有益です。
そこで、手にしたのが、書籍【メルセデス・ベンツ「最高の顧客体験」の届け方】です。

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【メルセデス・ベンツ「最高の顧客体験」の届け方】とは?
競合しうる企業の台頭、顧客の消費性向の多様化などを背景に、メルセデス・ベンツは、顧客中心の企業文化へ変化することを決意しました。

【全社規模で設定した目標とは?】
・顧客のカスタマージャーニーを可視化する。(購入前、検討中そして購買後までのプロセス)
・顧客にフィードバックを求める。
・顧客が抱える問題を迅速に解決する。

そして、結果として「お客様に喜びを感じていただく」(Driven to Delight)、いわば「最高の顧客体験」を届けることを目標としました。
(【メルセデス・ベンツ「最高の顧客体験」の届け方】18ページより)

メルセデス・ベンツ「最高の顧客体験」づくり。はじまりは?
メルセデス・ベンツ販売店は、全米に370店舗以上存在しています。
2010年以前の店舗のデザイン設計は、各店舗に共通性はありませんでした。各販売店がそれぞれ独自のデザインで設計、運営されていました。メルセデス・ベンツが「最高の顧客体験」を実現するにあたり、実施したことのひとつ、それが店舗デザインの統一でした。メルセデス・ベンツ本体そして販売店で合計16億ドル以上の設備投資を行いました。

この設備投資の目的は【ブランド・アイデンティティの確立】です。
(【メルセデス・ベンツ「最高の顧客体験」の届け方】26ページより)


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「最高の顧客体験」を実現させる。メルセデス・ベンツの組織体制とは?
370店舗以上の設備を見直すこと、「ハード」の再構築の次は、「ソフト」の見直しです。
ここでいうソフトとは、顧客体験を実現するための1)組織体制 2)接客プログラムなどです。詳しくお知りになりたい方は、ぜひ書籍を手にとっていただきたいです。私から1)組織体制 2)接客プログラムの2つを取り上げます。

1)組織体制
①評価・インサイト部門
②戦略立案部門
③推進部門

①評価・インサイト部門
顧客の声を定量、定性的に分析をする部門です。
また、競合企業ならびに異業種のベンチマーク企業から顧客体験づくりに関する情報を収集し、自社に役立てる活動も行う部門です。

②戦略立案部門
現状分析、すなわちカスタマージャーニーの問題箇所はどのプロセスなのか?望ましいカスタマージャーニーとはどんな状態なのか?
メルセデス・ベンツの視点ではなく、顧客側から見た不満の特定と解決方法の策定を行う部門です。

③推進部門
①、②だけでは、実際の販売店における販売/接客方法は変化しません。したがって、この推進部門が販売店と協力して、戦略の浸透を行います。

2)接客プログラム
【メルセデス・ベンツ「最高の顧客体験」の届け方】を読むと理解できることが、販売店では、販売店による自律した判断によって多くの接客サービスが生まれているという事実です。なぜ、販売店において、自律した判断そして接客サービスが実現できるのでしょうか?この答えの一つが『MBセレクト』です。

『MBセレクト』
メルセデス・ベンツが販売店に対して準備している資金源。

販売店が接客サービスを行うにあたっては、当然キャッシュが伴うものが発生します。
もし、販売店側でこの経済的負担を100%の割合で実施するという環境だったならば、販売店側は接客サービスを展開することを躊躇することでしょう。『MBセレクト』とは、販売店側の経済的負担を減らすバックアッププランです。メルセデス・ベンツでは、このバックアッププランを機能させることで、メーカーと販売店が最高の顧客体験を創り出す協調路線を実行できているのです。

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当社は、BtoB企業の営業ならびにマーケティング活動の支援を行っています。
データベースを活用して効率的なマーケティングを実現してもらうを目的に、ABMツール「uSonarを提供しています。ABMツール「uSonarを導入したあと、クライアントの円滑なマーケティング活動を支援するアフターフォロー体制も見直しながら展開しているところです。

今回の【メルセデス・ベンツ「最高の顧客体験」の届け方】から、メルセデス・ベンツの約10年に渡る軌跡を知ることができました。
最高の顧客体験には、終わりがないこと/追求しつづけるテーマであることを再認識することができました。

「最高の顧客体験」を提供する為に、"車"という商品だけではなく、販売、修理、オーナー体験といった範囲に及ぶまで追求したメルセデス・ベンツの取り組みは、皆様にとっても刺激になるはずです。ご興味があればぜひ手にとってみてください。