BLOG BLOG DMA2011視察ツアー

2011年10月12日

営業本部の池田です。
先週、ボストンで開催された米国ダイレクトマーケティング協会主催のDMA2011を視察するツアーに参加してきました。
米国ダイレクトマーケティング協会(DMA)は、米国のみならず、世界中のダイレクトマーケティングに関わる企業が会員として名を連ねており、弊社も会員となっています。

■DMA2011
今回のDMA2011は、そのDMAが年に一回開催するグローバルイベントで、会員各社がブースを出展して来場者と対話したり、DMAがプログラムしたテーマ別のセミナーが多数実施されていました。

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Hall of Fame(名誉の殿堂)は、ダイレクト・マーケティングに特に貢献した人に送られる功労賞で、今回受賞したのは『VOICE OF THE CUSTOMER MARKETING』の著者であるアーナン・ローマン氏です。

ローマン氏が紹介した現在の三つのトレンドは、以下の通りです。
①複数のチャネルで情報を取得することに対する消費者の渇望
複数のチャネルで購入する顧客は、一つのチャネルでしか購入しない顧客の4倍購入するという興味深い数字もあるそうです。
一方で、別のセッションにおいては、オンラインとオフラインのデータは別々の部署・システムで管理されており、統合されていない企業が多く、顧客の企業・ブランドへの接し方と必ずしも一致していない、という話もありました。

②VOC driven relationship
想定ではなく、実際の顧客の声・意見に耳を傾け、そこで得ることができた顧客のニーズや知見に基づいて顧客との関係を構築していくこと。誰しもが理解はできるものの、実践となると困難を感じる人が多いコンセプトであるということで、実践する企業の具体的な例をいくつか見せていただきました。
消費者が、これまで以上に情報を得ることができるようになった環境の中で、従来の購買履歴に依存したセグメンテーションでは、マーケティングバジェットに見合ったl効果を期待することは困難であるとローマン氏は説きます。

③消費者と企業の価値の相互関係
消費者は、自らが欲しいと思うレベルのサービス・情報を得るには、それに見合うだけの情報を企業に継続して提供していかなければならない、ということです。そのことに、消費者自身が気づき行動し始めた、というのが今の米国のマーケット環境とのことでした。
そのため企業がなすべきことは、情報を安心して提供することができる企業であると顧客に感じてもらえることであり、そういった環境作りをソーシャルメディア等を通じ行っていくことである、とローマン氏は言います。

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■ハーバード大学・ハーバードビジネススクール
ツアーの最終日では、ハーバード大学及び、ハーバードビジネススクールの視察がありました。
米国で最古の大学と言われるハーバード大学の各施設には寄付者の名前が付けられており、それぞれ興味深いストーリーを持っていました。特に、並べると120kmになると言われる多くの書籍が存在する図書館の話は興味深いものでした。

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日本でも『ハーバードビジネスレビュー』やMBAで有名なハーバードビジネススクール(HBS)は、他校に先駆け3年前に当時の学長がCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)のポジションを新設したそうです。

今回は、CMOのブライアン・ケニー氏のプレゼンを聞く機会がありました。
HBSをブランドとして捉え、ヘリテージブランド(相対的に古い歴史のあるブランド;コーラはヘリテージブランドであるのに対し、ペプシはヘリテージブランドではない)の良さを残しつつ、理想とするブランド像に照らして弱い要素をいかに発見し、伸ばしてきたかという内容でした。
また、HBSにとってソーシャルメディアの活用は、リスクを考慮しても、それ以上のメリットがあり必要不可欠なチャネルと認識しているという話が印象深いものでした。

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