BLOG BLOG 「解約防止」と「カスタマーサクセス」。~WOWOW事例から学ぶ~

2019年03月14日

1.マーケティング。「顧客をつくる」と「解約防止」。

マーケティング目的のひとつ、それは「顧客をつくる」ことです。マーケティング活動で意外に見落としていること、それは「解約客」を減らす取り組みです。

御社のマーケティング活動を観察したとき、「見込み客情報の収集」「見込み客の育成」に注力しすぎてはいませんでしょうか? せっかく顧客を増やしても、解約客が同時に増えてしまっては売上、利益が安定することはありません。解約防止に取り組むことが、結果として売上、利益の安定につながるのです。

2.「解約防止」。WOWOW事例から学ぶ。

当社は、企業向けにサービスを提供しています。主力サービスがデータベース統合ツール「uSonar」(※1)です。
この「uSonar」の契約形態は1年間です。2年目以降は、基本的には自動更新となります。しかしながら、この自動更新率は100%ではありません。残念ながら、ご利用企業の導入目的と実際の運用に乖離があった場合には、「解約」といったケースが発生します。「解約」は、当社にとってもご利用企業にとっても望ましい状態ではありません。

そのため、当社では「解約防止」についての取り組みをはじめました。参考にした書籍のひとつが「優良顧客を逃さない方法」です。

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この書籍は、著者がケーブルテレビWOWOW社に在籍していた取り組みを紹介しています。本日は、この書籍に記述のWOWOW事例から何を学べるか? を整理します。

3.WOWOW事例から学ぶ。「解約防止」方法とは?

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みなさまは、WOWOWを契約して視聴していますか? 以下のような方もいらっしゃると思います。

「契約はしていないが、無料放送のキャンペーンのときだけ視聴した経験がある。」

WOWOW社では新規契約数を増加させるため、様々な新規向けのキャンペーンを展開していました。しかし、新規契約数ばかりに目がいってしまい、一時期、新規契約人数よりも解約人数が多いという状況に直面していました。具体的には、年間56万人が新規加入しても、一年間でたった5千人しか残らない、という状態でした。これではいつまで経っても安定的な売上、利益を確保することが出来ません。

いま現在は、その状況は改善し、順調に契約人数を増やしていると著者は記述しています。みなさんは、WOWOW社がどのような取り組みを行い、解約客を減らしたのか、気になりませんか?

私が、書籍から学んだことは「2つ」です。

1) 契約ルート、契約動機を知る。
2) 解約する理由を聴く。

4.「解約防止」と「カスタマーサクセス」。

WOWOW社は、解約防止についていくつかの取り組みを行っています。すべての取り組みのベースになっていること、それが「事実」の確認です。

【解約防止。2つの事実を明確にすること。】
1) 解約客の契約ルート、契約動機を調べること。
2) 解約客の解約する理由を調べること。

WOWOW社の調査結果を説明します。

1) 契約動機分析の結果、「無料期間」理由で入会した会員は、長期間の契約になりづらいことがわかった。
2) 解約理由は「視聴したい番組が終わった」と「録画しすぎて見切れない」。

WOWOW社は通り一遍のアンケートだけではなく、実際の解約者との一対一でのデプスインタビューを通し、「本当の解約理由」の調査を行いました。特にこれまで「解約率」という言葉で一括りにしていた解約者を加入から解約までの期間ごとに区別して分析し、それぞれに対して別の対策を行う部分は、サブスクリプションモデルを展開する企業には非常に参考になる箇所かと思います。

こうした分析結果を元に、WOWOW社がどのような改善を行ったのか、詳しくは本著をご覧ください。

【解約防止。それは「カスタマーサクセス」を目指すこと。】

ところで、みなさまは「カスタマーサクセス」という言葉をご存知ですか?(くわしくはこちらの当社ブログを御覧ください。)
この用語は「お客様が御社のサービスを使って利便性を感じる、役立っている状態」を指します。つまり、お客様が御社のサービスに対して「高い評価」をしている状態です。この状態が維持されている限りは、「解約」は「防止」することが可能です。

当社は、WOWOW社の取り組みから「カスタマーサクセス」という活動目的、それを行うことによってのお客様側のメリットについて学習することができました。そして、現在も「カスタマーサクセス」活動の計測、評価、改善を行っています。もし、御社の課題が「解約客」に関することでしたら、ぜひ、当社のメルマガやマーケティングセミナーを通じて情報収集からご検討ください。

(*1)データ統合ツール『uSonar』